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さくさく、白い雪に足跡が残るのを見て、ここは変わらないなあと思う。冷たい気温に体を震わせながら、私は彼の後ろ姿をみつけた。


「レッド!」

レッドが後ろを振り向いて、目が合うまでの動作がスローモーションに見える。雪が降らないこの場所はレッドだけの場所で、私たちの秘密の場所。レッドに会えるただ一つの居場所。


「どうしたの、名前」

柔らかな声音で尋ねるレッドに、私は頬をゆるませた。
その声はひとつひとつ、日を浴びてゆっくりと咲かす花のように、心はレッドにとかされていく。


「あのね、これ見て!」

バッグの中から桃色の桜の花が咲いた枝を取り出す。レッドは頭を傾げながらそれをじっと見た。そのしぐさが子供らしくて可愛らしいと思いながら、レッドのわかりきった質問に答える。


「…これ、桜?」
「うん、桜だよ」
「……もう春なんだ」

感慨深くそう呟くレッドは、桜の花を見つめてにおいを嗅いだ。ここに着く前に何度もかいだそのにおいは、レッドには何年ぶりかの香りなんだろう。
忘れてしまったにおいを思い出して、ゆるりと笑みを浮かべそれを抱きしめた。
愛おしそうに、壊れ物を扱うように。


「名前」
「なあに?」

レッドは私の手を握って、私に向かってほほ笑む。
やっぱりね、レッドには雪じゃなくて春が似合うよ。その笑顔は優しい気持ちになれるもの。


「…何でもない。」

そのほほにキスをして、耳元で囁いて、私を抱きしめてくれたらいいのに。
顔をそらすレッドにまた笑って見せる。心の中で私も好きだよ、と呟いて。



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透ちゃん宅の2万打フリリクからいただきました!レッドさんとレッツほのぼの!すっごい夢だったんです。透ちゃん、ありがとう!


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