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「おばあちゃん?何処にいるのー?」

いつも通りの時間、広場で待ち合わせをしているはずの祖母の姿は何処にも見当たらなかった。一人で行動することをあまり好まないから、勝手に何処かへ行ってしまうことはないと思っていたのに……。段々慣れていたから、自信でもついたのかな。とりあえず、探すほかない。そこを歩いている看護士さんに話を聞いてみたりするけど「ごめんね」「知らないわ」なんて答えしか返ってこない。ああ、もう、ほんと、何処行っちゃったの!
とりあえずわたしが何処か行くのをやめ、いつもの場所で待つことにする。時折若い人のきゃっきゃと楽しそうな声が聞こえるのはどうしてだろう。そんなとき、名前が呼ばれた。おばあちゃんの声だ。

「名前〜そこにいたのかい。探したよ」
「探したのはわたしの方よ!おばあちゃん、何処に行ってたの?」
「それよりおばあちゃん、お友だちができちゃったわ!名前にも紹介するわね」
「いい年して、お友だちとか……」

だけど、楽しそうに笑うおばあちゃんを見るのは嫌いじゃない。だけど、おばあちゃんと気の合いそうな人って誰だろう。テレビばかり見ている人だから、その話題についていける人かな。少しだけドキドキした。

「ねぇおばあちゃん、それはどんな人なの?」
「名前と同い年だったと思うけどなぁ」
「え?」




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