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わたしと吹雪くんが知り合って多分もう2年ぐらい経つんだ。幸せだと、そう感じたのはいつまでだったのかな。あぁそうか。そのことに気付いたときから、わたしは彼を疑い始め、毎日が不安で、それでいて苦しい想いでいっぱいだった。何も、言ってくれないんだから。わたしも、そうだけど。吹雪くんも、そう。朝目覚めたときに、吹雪くんは笑ってわたしにそう告げた。「僕たちはきっと、距離を置いた方がいいのかもしれないね」「隣の部屋に、明日から住むよ」「だけど、忘れないで」「僕は、君との関係を諦めた訳じゃないから」名前ちゃんが楽になって、またちゃんと話し合えるときが来たら、もう一度話し合おう。…昨日は無理させてごめんね。そうやって優しく言うんだから、断れない。自分の身勝手さから、わたしは吹雪くんも追いつめてしまった。ごめんね、なんて言わなきゃいけないのはわたしの方なのに。いつも肝心なところであなたは言ってくれない。肝心なところで、わたしは言えない。ねぇ、どうしてかな。吹雪くん。こんなこと終わらせるの、すごく簡単なんだよ。わたしはその、その一言が欲しいだけ。その一言をあなたの口から言って欲しいだけ。
好きだよって。わたしのこと好きだよって、言ってみてよ。
知ってる、吹雪くん。あなたはわたしと付き合ってから一度も、わたしに「好き」と言ってくれたことなんてないんだよ。
だけど、気付いてるの?わたし。わたしは吹雪くんと付き合ってから一度も、彼に「ありがとう」って伝えたことない。
上手くわけ、ないじゃん。不安になったって、仕方ないじゃん。
だからお願い。嫌いなら嫌いって言って欲しい。


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