txt | ナノ

ネジキ君はよく分からない人でした。機械をいじったりするとき、話しかけても答えてもらえない。だけどそれ以外ではよくしゃべる子。あんまり話してる内容を全部理解したことはないけど、それなりに楽しい。

ネジキ君のするバトルも、考えて考え抜いた戦略によって勝利を導き出し、ホントすごいと思う。私はあんまりバトルしないからよく分かんないけど。

それでも一緒にいるとき、不意に心臓に訪れる衝撃もクラクラするような熱も、全てこれが恋なんだっていうのも理解している。いつの間にかネジキ君のことを好きになってしまっていて、近づいたり触れたいとか思ってしまっていて、でもそれ以上は出来ない。近づけない。私には大きすぎると思うんだ。


「ねぇ、ちょっといい?」
「何ー?」
「ネジキ君って、恋してる?」
「してないよ」
「あ、っそ」


もし好きな人とかいたら、きっと限られてくると思ってたけど、いないとなれば話は違ってくるなぁ。何だ、つまんない。もしいないなら、なんて願望は捨てて、今日は帰って寝よう。もう、何も考えるのを止めよう。


「あ、でも」
「ん?」
「今からできるって言ったら、どうするー?」
「え、どうもしないけど」
「えーつまんないなー」


何それ。私に何か言われたかったの?ダメだよ、期待しちゃうから。一体何考えてるんだろうネジキ君は。き、気にしない方がいいのかな。
私、帰るね。と一言残し、部屋を出ようとする。だけど、腕を捕まれた。誰だ、と思ってもそんなのネジキ君しかいない。何がしたいのネジキ君。


「ネジキ君?」
「やっぱり、いるって言ったらー?」
「え、え、何が」
「恋してる人が」
「…し、嫉妬するかも」
「なるほどー。それはいい反応かも」
「え、な、何が?!」


満足したように私の手を離し、また機械いじりを始めてしまう。未だ理解しきってない私の頭はずっと疑問符を浮かべたままだった。
私は未だにネジキ君を理解できない部分があったりする。そんな彼に恋してるのは自分だってことは分かってる。あまり、分かろうともしなかったけど。だけど今、初めてあなたのこと、知りたいって思いました。



title by No Name


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -