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思えばちゃんとお礼を言っていなかった気がする。カズマサのバカをバトルサブウェイまで連れてきてくれたこと。そして自分の時計を拾い、届けてくれたこと。…直ぐに来なかったところに少し疑問を抱くが、感謝の心を忘れてはいけない。だからと言って直ぐに会える状況でもなかった。名前も何処に住んでいるのかも知らない女性。あのときちゃんと聞いておけばよかったのに……あぁああクソ!考えるだけでむしゃくしゃするし、腹立つし。思わず寄ってきたキャメロンに八つ当たりで撃ちそうになった。

「チョ、クラウド。ドウシタノ」
「どうもしてへんわ」
「アァアノオンナミツカラナインダナ。ツライヨナ、ワカルヨ」
「何でお前知っとんねん。つかお前に分かられたくないわ」
「マァソウイウナ。カズマサガレンラクサキシッテルッテヨ」

は、もっかい言うてくれん?その言葉にキャメロンがビクッと肩を揺らし「カ、カズマサナラサッキオチャカッテタ」と声を震わしていたのは、俺の顔に苛立ちの色が浮かんでいたからや。自分でも分かる、今きっと怖い顔している、と。ときどきボスにもっと優しい表情をしたらどうですか、なんて窘められるが、今はそんな時やない。何で名前とか聞いてへんのに、連絡先は聞いとんねん。あのバカ本気で一度しばいたろ。





カズマサから連絡先を聞き、週末に会う約束をしてみた。…と言っても相手に電話をし、直接声を聞いたとかそういう訳ではない。何度電話しても電源を切っているようなので、メールを入れておいたが……返信が来たときはホッとした。ちゃんと届いていたのだと。

『メールありがとうございます。クラウドさんからメールを頂いた時間、丁度面接だったんで直ぐ反応ができませんでした。ごめんなさい。土曜日にヒウンシティの広場ですね、分かりました。お待ちしております』

面接ってなんのこっちゃ。


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