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「カズマサ、ちょっと聞きたいことがあるんやけど」
「え、クラウドさんが僕にですか」
「何を嫌そうな顔してんねん。別に変なこと聞こうとしてへんやろ」

身構えるカズマサをとりあえず逃げないように道を塞ぎ、質問をする。この間お前をバトルサブウェイまで連れてきてくれはったあの女性誰なん、と。後になってから名前も何も聞いていないことに気づいてしまって、頼るのがこいつぐらいしかいないという悲しい現実。ミックスオレ奢ってもらって、まさか何も知らへんってことは…流石にないやろ。せやけどこいつに期待した俺が馬鹿やったんや。

「あの人は…よく知らない人です」
「じゃあ何で知らない人について行ったん」
「だってバトルサブウェイまで連れてってくれるって言うから」
「…カズマサ、俺はお前の将来が心配や」

小さい時、知らない人に付いてったらあかんって習わんかったん?投げやりな質問も意味を考えれば簡単なこと。しまった、と今にも声を上げそうな顔でカズマサの顔色は変わった。こいつただのアホやん。

「でもヒウンシティで会ったのは覚えてます」
「あんとき彼女スーツ姿やったなぁ…もしかしたらヒウンシティで働いとるのかもしれへん」
「クラウドさん、彼女に興味あるんですか?」

はぁ、何こいつ言うてんねん。一発お見舞いしたいとこやったけど、こいつに構っとる暇なんてあらへんわ。クラウドさん彼女に会いに行くんですか?行くんですか、じゃあ幸運を祈ってます!なんて後ろでごちゃごちゃうるさいやっちゃなぁもう。振り返ってみるとニコニコとした顔で手を振っているカズマサがいる。何で笑ってんねん、そこで。


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