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その日の午後、倉間くんの言っていたことが本当になった。
正直、神さまは私に嫌がらせをしているんだと思う。確かに昨日、今日の朝も、わたしは珍しく早起きして倉間くんと学校に登校した。それを倉間くんは「明日雨とか部活なくなるじゃん」と失礼な言葉をくれて、あのときはあははと笑えて抑えられていたけど…本当に雨が降り出したとなると、笑い事じゃない。悲しんでいいのか喜んでいいのか分からなくなってきてしまた。反応の仕方が全然分からないよ。わたしの横で茜ちゃんも憂鬱そうな顔を見せている。大丈夫だろうかと思ったけど、「はぁ…今日、部活なくなっちゃう。神さまの写真…」――うん、心配要らないみたい。いつもの茜ちゃんだ。

「こんなに雨降ったら、流石のサッカー部も休みか」
「うん、だって風邪引いちゃう」
「えー浜野とか風邪引かなさそう」
「それは失礼だよ名前ちゃん」
「え、この前浜野に酷いこと言ってなかったっけ茜ちゃん?」

だけど何日前の記憶だ。茜ちゃんが覚えているとは思えない。すました顔で「知らないよ」と言う茜ちゃんを流石だと思えるのは重症だろうか。だけど、そうか。今日部活休みなのかぁ。もしかして、一緒に帰ったり、できる、の、かな。頬が熱くなるのを感じ、茜ちゃんが面白いものを見る目でこっちを向いていたことに気付いた。なんか怖いよ茜ちゃん。

「あ、名前ちゃん今倉間くんのこと考えた」
「ななな何言ってるの茜ちゃん」
「うふふ、誘ったら?」
「誘わないよ!今日一緒に学校来たんだから…それでもう限界」

なんだぁつまんないの。と一言漏らし茜ちゃんはカメラの整理をし始めた。そんなこと言われても、私だって限界というものがあって、無理なものは無理。今日は週末だし、早く帰って寝るんだ。そんなことを言えば茜ちゃんに「名前ちゃんは子供だね」って。軽くショックだなんて、そんなの嘘嘘。
帰り際、雨は降り出した昼よりももっと強まってきて、誰でも傘なしでは歩けそうもないくらい。そういえば今日、傘持ってきてたっけ?


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