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名前、何してるの。とレッドが私に声をかけた。振り向くとピカチュウの何とも言えぬ愛らしい瞳と一緒に私を見据えている。何でもないよ、ただ辺りの風景を見ているだけなの。そう、ただ見ているだけ。ただ、感じているだけ。ただ、何もせずにその場に座っているだけ。何もしない、何もしようとしない、過ぎゆく時間の中でこういう空間は私にとって癒しのときなのかもしれない。心を包む黒いものも消えていく。失われていく――。レッドもこうやって、心を落ち着けて静かな時間の中、癒しを感じることもあるでしょう?問いかけて返ってきたのは、彼の優しい微笑みだった。そうだね、って。僕もきっと、そういう時間が必要なんだと思う。ですよねぇ、と笑い飛ばして、同じ気持ちを共有出来ればと願った。もう少しだけ、この刹那のを感じていたい。


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