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「おい倉間、お前今日休憩の時間中庭に来いよ」
「は?」

瀬戸に呼び止められたから足を止めたのに、言葉の内容を上手く理解できずに呆けた声が出た。何だこれ、呼び出しかよ。俺こいつの機嫌損ねるようなことしたっけ。あぁ覚えてねぇや。何かした訳じゃない。むしろ、こいつに話しかけられる意味さえも分からない。聞き返すと瀬戸は苛立ったように「聞こえなかったか?休憩の時中庭来いって言ってんだよ」と言う。一度で理解しなければこうなるのか。怖いなこいつ。よく覚えておこう。

「何で中庭」
「お前に渡したいもんが在るんだよ」
「はぁ?」

ますます理解できず、また聞き返してしまった。だけどそれ以上瀬戸は攻めて来なければ話しかけても来ない。だけど厄介なのが話しかけてきたのは確かだった。俺に近づくなり「何だよ倉間っ瀬戸から何もらえんの?」なんて、そんなの俺が知るかよ。こっちが知りてぇんだよ。だからその調子乗った態度今すぐ止めないと切れるぞ。というような意味のこもった目つきを浜野に送った。ホンット、調子だけはいい奴だ。

「差し入れとかじゃない?いいな〜倉間」
「そんな訳あるか。ったく、うぜぇ」
「でも行くんだろ?中庭」
「…行かないと後がどうなるか分からないから」

ホントめんどくさ。


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