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※不健全


暗闇に包まれた部屋に私と彼の吐息だけが漏れた。辛い、痛い、嫌だ?ううん、そんなことはない。決して、嫌いではないの。私の耳に彼の熱い吐息がかかるたびに、恥ずかしくて、この場から消えてしまいそうになるけど、あなたと同じ時間を過ごすことの方が大切で、どうしようもない。いきなり、ユウキ君は私の耳に噛みついた。痛い、のレベルじゃない。引きちぎられるかもしれないなんて思ってしまう程、その力は強く、歯をごりごりと擦って、思わず声にならない悲鳴が上がった。覆い被さる体を退けようと思っても、体に力が入らない。だけどやっとのことで喉から出てくれた悲鳴に、ため息を一つ吐いて体が離れていく。とりあえず安堵の息も漏らすと、睨まれてしまった。どうしてそんなに今日は怖いんですか、ユウキ君。


「その顔、気に入らない」
「え、え、」
「もう一回、いい?」
「や、やだ」
「ごめん無理」


最初から私の意見なんて聞いてくれないなら、ユウキ君も聞かなくていいのに。かといって何も言われないのも嫌だ。矛盾してる世界の中で、私たちこんなことして、何が楽しいと言うんだろう。ユウキ君は満足ですか。私は普通に君といられる時間そのものが楽しくて、嬉しくて、幸せだよ。ユウキ君はどうなの?私といる時間そのものを、大切だと言ってくれる?


「…許さなくていいよ。自分が卑怯なことぐらい知ってるし」
「、え…?」
「だけど、好きでいてほしいんだ」


意味分かんない。もう、私の中のキャパシティはとっくに超えた。だけど、限界の先に見えてきた想いをもう一度恋と呼べるなら、ずっと私はユウキ君を好きでいれる。
もちろん、呼べるけど。


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