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生きていることが怖くて仕方ない。自分みたいに人と同じようにものを感じることの出来ない、恥の中だけで生きている私が、どうして今この場に立っていられたんだろう。
神はどうしてそんなこと許してくれたんだろう。ただ1人私と話してくれた彼だって、本当は私のこと何も知らない。私が何も感じられない“お化け”だって。あなたに対しても仮面を被り、道化のようなにこりと笑って、そのことをあなたは本当に信じ込んでしまっているんだから。
そのことに罪悪感を感じて、本当に恥ずかしくて、苦しくて、死んでしまいたいって思うほど、恥ずかしい。大好きな人にも本当のことを言えない。こんな私が、この世界に生まれてくる意味なんてなかったのに。

だからこそ。
あなたに殺されたい。
あなたの手によって首を絞められるのも、あなたが仕掛けた毒薬で苦しくなるのも、あなたの持つ鋭利な刃物で刺されるのも、何だっていい。あなたの手で殺されることがきっと、今の私を救える方法なの。

メールを打ちました。殺して下さい、楽にして下さい、
私を早く、鉛のように重い枷から解き放って下さい。
“お化け”として生きてきて、あなたに殺されるのなら、それでもまぁよかった人生だって心から思えるんです。
あなたの家から私の家までほんの数分。昔から家が近いということで仲良くしてきたけど、それはつまり、小さい頃からあなたを道化のような笑みで騙してきたということです。

疲れました。
苦しみました。
あなたを騙すことなんて、これ以上出来ません。
生まれつき神から愛されたような白い羊のあなたに、生まれつき黒い毛で周りに合わせようと白い粉をまぶせた私が近づくことさえ、それがいけなかったんのです。

待ってます。
あなたが来るのを。早く、楽になれることを。この世界から、私という道化がいなくなるその瞬間を。


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