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名前ちゃん。それは倉間くんに恋してるんだよ。
一瞬何かの間違いかと疑いたくなるほどだった。茜ちゃんは何を言っているんだろう、と。恋ってあれですか。女の子がよくするやつですよね。私が恋なんてするの?いや私も女の子だけどさ。
だけど何となく納得できない。私にとって倉間くんという人は恋愛対象だったのだと。小さい頃、何気なく近くにいた存在。私はいつの間にか、好きになってた?





「名前ちゃん。帰らないの?」
「え?」
「もう授業終わったし。名前ちゃんは今日部活ないでしょう?」
「あーうん。ない」

茜ちゃんに声をかけられて周りがすでに放課後の雰囲気に包まれていたことを知る。昼放課からの2時間の授業の記憶が全くない。頭の中が空っぽのように、ボーッとしていたんだろう。普段回らない頭をフル回転させていたのか、何だろう何も考えてないはずなのに疲れた。私が疲れるとか絶対倉間くんは笑うな。

「じゃあ私帰るね。茜ちゃん部活頑張って!」
「もし暇なら、倉間くんが部活終わるまで待ってて一緒に帰ったら?」
「ななな何言ってるの茜ちゃん!」

そんなことできるわけない。それに今日は早く帰って一人で考えたいことがある。静かにじっくりと。
どうか茜ちゃんの言っていることが冗談で、明日何事もなかったように過ぎますように。最初からおかしいんだよ。私に悩みがあるってこと自体がね。


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