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私のイメージってもしかしたら人の心を傷つけてしまっているのかな?吹雪くんはウサギみたいだよねーなんて。思ったことをそのまま言葉にすれば、苦笑い氏ながらも「あ、ありがとう」と返事をしてくれた。でも私だってバカじゃないんだから、それが吹雪くんとって気に入らないことだってことも分かるんだから。


「ウサギ気にくわなかった?」
「だって僕、男だよ?」
「可愛いからいいんじゃない?」
「…そういう問題かな…」
「私はさ、動物に例えたら何だと思う?」


リスとかハムスターとか小動物系がいいなぁなんて思って、今度は吹雪くんに質問を投げかける。少しだけ悩んだ素振りを見せて、吹雪くんが言ったものは“りんご”だった。ちょっとちょっと待ってください吹雪さん。私は動物を聞いたんですよ。あなたが答えたそれ、無機物なんだけど。いくら何でも、それは酷くはないだろうか。
だが私の意見はあっさりとスルーされ、吹雪くんの顔が私の目の前にぐいと押し出される。わぁきれいな瞳。そんなこと言ってる場合じゃないけど。


「ふふふ吹雪くん?!」
「リンゴみたいに、こうやって僕が顔を近づけるよ顔赤くなっちゃうよね」
「そりゃ、いくら何でもこれは恥ずかしいし…」
「ねぇ名前ちゃん」


リンゴならさ、歯形とかつけてみてもいいかなぁ?
苦笑いをするのは私だった。何が歯形とかつけてもいいかなぁ?だよ。ダメに決まってるだろ!でもそれが吹雪くんに通用するとは思ってないから、黙っている。きっと彼の頭の中では勝手に肯定の意味として取られたんだと思う。ゆっくり近づき、噛みつかれるかと思えば、首筋にひとつのキスを落として、本人は楽しそうに笑っていた。
きっとからかわれたんだ。絶対に。
いやそもそも吹雪くんを動物に例えて“ウサギ”なんて答えたのが間違えだったんだ。何処が小動物系だ。立派な肉食じゃないか。



title by ashelly


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