6.5





「…ったく!あーイライラするわっ!」

「どうしたんだよルーティ」

「どうしたもこうしたもないわよ!こんな忌々しいティアラを作ったのがあの子だって思うと
なんでこんなしょうもないこと考えたのか本当意味分かんないわっ!」

「あー…確かにびっくりしたよなー」

「可愛いじゃないか、このティアラ」

「もうこんなんだから悪魔の頭脳なんて言われるのよっ!見た目普通の女子でも

やることがえげつなさすぎるわ!悪魔よ悪魔っ!」


「なあ、なんでレイは悪魔の頭脳なんて言われているんだ?」


「…ジョン・フォン・ノイマンという科学史における最重要自分の一人が転生したのではないかと

いつからか言われるようになったから彼の通称をそのままあの女に被せて言われるようになった筈だ。

最も、本人は気にいっていないようだが」


「…へえ〜、あんたあの子に随分詳しいじゃないの」

「くだらんことを言うな。セインガルド城に居れば嫌でも噂くらい耳に入る」

「レイ様の噂は神殿でもよくなされていました。私たちの研究に躓いたらレイ様に尋ねなさいと。

もっと年上の婦人を想像していたのですが、私たちと同年代でとても驚きましたわ」

「なんだかよくわかんないけど、レイって頭もいいし強いし凄いんだなー」

「貴様よりは役に立っただろうな」

「ぐっ…何も言い返せない…」


『確かに、掴みどころがなかったけど実力はあったわね』

『…なぜレイに我の声が聞こえなくてスタンに聞こえるのか……』

『…レイ、かあ』



(なんだか、聞き覚えがある名前だなあ…)


※ ジョン・フォン・ノイマンは実在した人物になります。悪魔の頭脳の由来はこの方から来ております。