「そうなんですか。兵士を志願するためにダリルシェイドに」
「でもまあ、いろいろあって捕虜の身に…」
「密航したって素直に言いなさいよ」
「だからちょっと乗せてもらいたかっただけなんだって!」
「ッ…!スタン伏せてっ」
ザンッ!
「…へえー、レイは科学者なのに強いんだな!」
「? いきなりどうしたんですか?スタン」
「いや、俺いっつもディムロスに型がなってないって怒られるんだよ〜」
『事実だろう。何をふざけたことを』
「まあ後先考えずに突っ込むのは今までの戦闘でなんとなくわかりますが…
私自身のことは、昔っから兄の練習相手にさせられていたのでよく分かりませんね」
「分からないって…あんた結構な剣捌きよ。今の気配読むのも手慣れてるもの。
アタシもあんたのことお勉強大好きな良い子ちゃんだと思ってたけどビックリしたもの。ねえ、マリー?」
「ああ!レイを見ていると頼もしいな!私もうかうか負けていられない」
「そんなに言うほどじゃないですよ。刀を扱ったのも久しぶりですし」
「そう!それにその刀っていうの俺初めて見た!」
「あー……、確かにここら辺じゃ珍しいものかもしれないですね。
ただ、この刀も家からあったものを適当に持ってきただけなので特別なことは…」
「あるだろう。その刀の手入れは普通の科学者の生活では考えにくいくらいに施されている。
相当価値があるものなのは僕の目から見ても分かる」
「えっ!?そんな刀がある家って…あんた金持ちなの?」
「家は…そこそこ敷地はありましたけど…」
「だったら…ね、ちょっとくらいお邪魔させていただいても…」
「ルーティ、窃盗はダメだぞ!」
「あーうっさいわねスタカン!ちょっと仲良くしたいだけじゃないの!ね、レイ?」
「それは嬉しいですけど…私、もう何年も家出して帰ってないので招待できないです」
「…なーんだ。期待して損したー」
(ふう…家の事あまり聞かれないでよかった……)