天使とは神の御使いであり、神の名の下に予定された運命を導くものである。即ち生をもたらす行為へ導き同時に死するものを導く。人々は天使によって導かれる以外の生を生み出す行為は禁じられているし、死も同じである。姦淫、殺人、自殺。またこれらの原因になりうる行為も罪となり、懺悔の対象だ。天使に懺悔が聞き入れられれば罪は清められ、天国の門をくぐることができる。
 対して悪魔は魔王サタンの名の下に、これら罪となる行為を人に唆すものである。人々を堕落に導き、天国へ行きそびれた魂を啜って生きる。元々は天国で生きられなくなった天使の成れの果てというが、真偽は定かではない。何しろ悪魔はそのよく回る舌でもって真実を覆い隠し、虚偽を真のように見せるのを得手とする。
 これら天使と悪魔は互いに相容れぬ存在であった。

 尾浜勘右衛門は天国で最も天使らしい天使と言われていた。正しく指令に従って生と死へ導き、また予定調和の中で遊ぶを楽しんだ。天真爛漫なその姿は、他の天使すら愛らしいと評したものだった。しかし全て過去の話。勘右衛門は堕天した。最も天使らしい天使は、地上へと追放されてしまった。それは彼が感情に流されるまま大きなの罪を犯したからである。

 その日、勘右衛門は懺悔を聞くために対象である木下の家に舞い降りた。木下は優れた教師であったが、悪魔に唆され罪を犯した。
 勘右衛門が、懺悔なさいと言うと、木下はしないと言った。なぜと問うと、懺悔によって罪が消えたとしても、この心の重荷は消えないと言った。木下は教え子と姦通した。教え子は同性であった。その教え子は自殺した。勘右衛門は木下の苦痛に歪む顔に心を痛めた。このような痛みは初めてだった。木下のような考え方をする人間は初めてだった。赦されたくないのかと問うた。赦されないと答えた。二人は見詰め合った。先に動いたのは勘右衛門の方であった。

 勘右衛門は同性の人間と姦通し、その者を殺した罪で堕天使となった。勘右衛門は木下に安らぎを与えた。代わりに、勘右衛門の安らぎは失われた。





 ってな感じの天使と悪魔ものがやりたい。
・地上に降りたところで人間竹谷に拾われ、面倒見られる勘ちゃん。
・友人が追放されたことに憤りその理由を探るエリート天使兵助
・木下先生を唆した悪魔三郎は、次のサタンになる運命だが、悪魔という存在に疑問を抱いている
・ラスボス雷蔵様は神か御前天使で享楽的
 疑うことをしない兵助と、疑うことしかしない三郎が出会ったり、竹谷の人間らしさに惹かれる勘右衛門だったり、色々なイベントを経て勘右衛門は天使に戻る…?
 的な話

 題はhakusei様よりお借りしました


memo-title
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -