竹鉢
パラレル
色々注意
俺が彼に逢ったのは大正三年、彼が数えで15の時分であった。
俺は田舎の生まれで、元来がさつな性質であったのがこの東京暮らしでも変わることはなく、しかし一方でキラキラとした社交界やら銀幕の向こうへ確かな憧れを抱いていた。
給金は月百五十円と中々によきものであったし、田舎の両親はそれなりの土地持ちであったから俺はこちらで楽な暮らしができた。仕事を終えればぶらり銀座をそぞろ歩いて見たり、休みには活動写真を見たりといった。
そんなある日、馴染みのカフェエに見馴れない顔があることに気付いた。女給に紛れてちょこまかと働くのは、何と少年である。
白い肌に薄い色の髪をして、はた目には西洋人か混血児に見える。身体は細くきりっとした面立ちで、それが無表情にすばしっこい動きを見せるものだから大層利発に見えた。幕内の児と言われても納得しそうなその少年は、名を、三郎と言った。
「痴,人,の,愛」のパロディ。
実はこの小説、半分も読んでないんですよね。最後まで読んだらぽちぽち書いてもいいかなと。
しかし何と俺得。
memo-title