仕事が峠を越えて、久し振りに早く帰れた日。ポストに厚目の封筒が入っていた。結婚式の招待状。鉢屋という名前に、ざらりとした不快感が胸を過った。


大学卒業と同時に別れたから、もう四年になる。嫌いになったわけではなかった。ただ、互いに異なる進路と未知の新生活に、今までの関係を維持していくのは難しいだろうと判断したのだ。別れ話を切り出したファミレスの一角と、安っぽいアメリカンと煙草。不安になればなるほど攻撃的になる自分の癖は、治っていない。
四年間、結局一人のままの自分と違って、三郎は着実に関係を深め結婚に至ったのだろう。デキ婚みたいなヘマを踏むような奴じゃなかったし。しかし相手も大変だ。神経質で粘着質でめんどくさい男だった。今でもまだ変わっていないのだろうか。
つらつら考えながら、改めて招待状を見る。刹那、握り潰した。


三郎の名前に並んで記してあったのは、見馴れた名前。

俺の名前だった。




えっ?ギャグですが何か?
この後、滅多に見られないちょうニコやかで人当たりのいい兵助くんが
「あの馬鹿探してるんだけど」
って共通の友人を訪ね歩いたそうな
見た人は余りのホラーっぷりにしばらく眠れなかったらしいよ



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