※ピー○ーパンぽい感じの海賊レン様×翔ちゃん
「かわいそうにね」
君はあの男を信じているのかもしれないけど、それは残念ながら幻想さ。
肩ほどまで伸びたオレンジ色の髪を揺らし、首をわずかに傾けて目の前の男は嗤う。
助けになんて、来るわけないさ。
「…そんなことない」
あいつは来るさ、必ず。飲みこんだ言葉は喉の奥。
ぎり、と歯が鳴った。
甲板の柱、そこに背中をつけるように座らされて、体はしっかりと縄でくくりつけられている。後ろ手に縛られた両手の感覚は既にない。
ふうん。目の前の男―海賊の船長を名乗る男はその青い瞳を細めて、こちらを見やる。
ぞくりとするような冷やかさをはらんだそれに、一瞬だけ体が震える。
「…、あいつは、助けに来る」
「だといいねえ?ああそうだ、まだ名前を名乗っていなかったね。俺はレン。この船の船長さ」
「…」
「君の名前も教えてよ。せっかく縁あって巡り会ったんだ、名前くらいは名乗っても損じゃないだろう?」
何が縁あって、だ!誘拐したのはそっちだろう!
そう言い返したいのを抑えて、黙って誰が教えてやるものか、と顔を睨みつけてやった。
「いいね、そういう顔。嫌いじゃないよ」
だけどね。楽しそうに、レンの口元が笑みを形作る。
「―君はもうちょっと、自分のおかれている状況を考えた方がいい」
ふわり、レンのつけている香水だろうか、甘い香りが一瞬香って、それから首筋に当たる、冷たい、無機質な感触。
俺の右手はね、あいつに奪われたんだよ。
耳元で低い声が囁く。
だから俺はあいつが憎くて憎くてたまらないのさ。あいつの周囲にいる人間だって、同じように憎くてたまらない。
「…ああ、そんなに怯えさせるつもりはなかったんだ、悪いね」
低い声がうって変わっておどけたようになって、すぐに首筋からも、あのひやりとしたものは離れていく。
瞑ってしまっていた目を開くと視界がうっすらぼやけていて、どうやら涙が(不覚にも)出てきてしまったようだった。
目を開けたことで端から流れていく涙を、レンの手が拭う。
その手つきはほんの数秒前とは全然違って、まるで別人のようだ、などとぼんやり考える。
「ねえ」
「…なんだよ」
「君、本当に男?」
は い ?
一瞬何を言われたのか、本気でわからなかった。
よっぽどお前何言ってんだとでも言いたげな顔をしていたのか、レンがごめんごめんと笑った。
「だって、改めて見たらあんまりにも可愛い顔してるから」
「おま…っ!ふざけんな!俺は男だ!」
「うんわかった。別に男でも俺は問題ないからね、いいと思うよ」
「何がだよ!」
ね?とウインクを飛ばされるけれど、意味がまったくわからない。
何がいいんだ、何が!
「うーん。君を人質にあいつをおびき出すつもりだったんだけど、気が変わったなあ」
そう言ってレンはひとり納得したように頷いた。
「ねえ、俺のものになってよ」
「…っ、ふ、」
ふざけんなー!俺の絶叫が海上へと響き渡った。
*
ついったーでフォロワさんがピー○ーパンパロって言ってたからつい書いてみた。
翔ちゃん:ウ○ンディ なっちゃん:ピー○ーパン(出てこない)のつもりで。
そして続かない。