∠351-360
いつだって僕等は無力だ
君からの戦力外通告
地面を蹴って走り出せ
周到な君と無謀な僕
僕ばかりが君をなにひとつ知らない
無知なふりが殊更上手い
瞳を見れば事足りる
森のざわめきに耳をすます
不眠を後押しする風音
恒例の通過儀礼


∠361-370
僕の世界は特別につまらない
快楽主義者の有益な愉しみ
ご教授願います、ドクター!
君は僕だが、僕は君になれるのか
解り合うには身体が遠い
退屈が殺しに来るのはいつだろう
トリックスターは華々しく散る
息を吸うように嘘をつく
吐き出す本気を信じてくれる
寂しくて惨めな僕を知らないままでいて


∠371-380
その眼差しで見つめていて
悲観的に美しい言葉
呪いを解くのはキスと決まっている
君の世界を壊して僕の一部としよう
心騒ぐのはまだ内緒さ
定められた未来を破棄
勇気を持てと言った君は居ない
帚星に儚い願い事三つ
穏やかすぎて胸が苦しい
塊が美しい形を成した


∠381-390
世界が僕に追いついてこない
君は僕の優しい神様
愛されたい愛したい
悲しみに殺される前に救って
残った理性にバイバイ
危険に好かれたい願望
精神に肉体を蝕まれる怖さを知っているのか
僕には解らない領域の痛み
世界はひとりぼっちの住処
存在に価値なんて必要


∠391-400
愛をくれる優しい体
恋は溺れるものと教えてくれた
無性に君が恋しくなる
生きるために恋をする
嗚咽に混じる嫉妬の声
身を裂くような思慕
触れた指に歓喜が走る
瞳はきらきらと輝いて
楽しむ恋に囚われた
あの恋は忘れ去らない


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