ひ弱なお前
力を入れれば折れてしまうだろう
喉から漏れた悲鳴のような呼気
赤く刻みこまれた抵抗の跡
体を弄れば嫌そうに身を捩るから
目尻に溜まった涙を無遠慮に舐めた



嗚呼、好きだ
痛みに上げる声が、好き
助けを求めもがく腕が、好き逸らされた顔を見つめるのが、好き
隙を見て蹴り上げてくる脚が、好き
嫌がる君にキスするのが、好き
(結局君の全部を、愛してる)



馬鹿を言うな!
痛がるな、もっと傷つけたくなる
分かったような口をきくな
お前が悪いんだ、そんな顔をするから
逆らうなんて馬鹿なことはやめろ
可愛がってやるよ、存分にな



ただ好きなだけなんだ
君の不安そうな瞳に欲情
強引はお気に召さないようだから
この上ない優しさをあげる
背に回された頼りない手にキスをしたい
甘い痛みは毒をはらんで全てを蝕む
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