とど様へ相互記念 ー2  


その後、長曾我部殿に銃隠し持ってるのを見抜かれちゃったから、敵意ないのを証明するために布に包んで挫いてないほうのお膝の上。もしいきなり戻って銃だけ置き去りとか笑えないものね。
それにしても銃を見たときの長曾我部殿の反応・・・あれ、絶対これがこの世界にありえないものだって判ってたわね。織田のものとも違うなとか言ってしげしげと観察している毛利殿(何この可愛い子)がグリップのマークに書いてる文字読み上げた時に、後ろでものすっごい微妙な顔して唇が”警察の・・・”って動いてたもの。
なんていうか、同類発見?と思って視線送ったらすっごく困った顔。そんな顔しなくてもばらしたりしないわよ?
とりあえず、こっそり人差し指を唇にあてて黙っとくわよとサイン送っといたらわずかにに肩の力が抜けた。

で、今は挫いた足を冷やしてから包帯で固定していただいてます。長曾我部殿に。

「ふふ、誰かに手当てしてもらうなんて、久しぶりだわ。手際いいのね」
「そりゃどうも・・・ほい、完了っと」
「そなた、戦には出ておらぬのか?出ておればそのような機会いくらでもあるであろうに」
「ちゃんと出てるわよ?でも大体軽症だし、自分でさっさと処置しちゃうのよ。むしろ私が手当てして回ってる側だから、ちゃちゃっとやって重傷者診てあげないと」
「医術の心得があるのか」
「自分で言うのもなんだけど、日ノ本一の名医だと思うわよ〜?」
「その自信はどこからくるのだ・・・」

訝しげに問うてくる毛利殿に軽く手を振って答えると、若干驚いたような声。それに冗談半分で返すと思い切り溜息をついて呆れられた。失礼ねぇ。大体、医者なんて対外的には自信過剰に見えるくらいがいいのよ。そのほうが患者も安心するでしょーなんて言いながらぐいとノビをすると、あら、どうしたのかしら?その微妙な顔。

「その刺青・・・」
「あぁ、これ?別になんかやらかしたわけじゃないわよ?ちゃんと私なりに意味あるから」
「意味ねぇ・・・ひょっとして、その蛇ヘルメスか何かか?」

応急セットを片してからお茶を入れ始めていた長曾我部殿がそう言いながらこちらを向く。
うーん、妙に様になってるわねぇ。前は女性だったのかしら。

「ふふふ、正解よ。ほんとはアスクレピオスの方が良かったんでしょうけど、向こうでも混同してることが多いからヘルメスの方でもいいかなと思ってね」
「ふむ、確かギリシア神話だったか?・・・それにしても言動が過激すぎやせぬか」
「あらそうかしら?私はいつもこんな感じよ?それにしても、よくギリシャ神話なんてしってたわねー」
「あやつに聞いた。その辺りは異様に詳しいからな」

なるほどなるほど。確かに神話やら何やらは暇つぶしにはもってこいよね。でもよく覚えてたわねー・・・

「まぁ、南蛮交易盛んだからな。そういう類の話も色々入ってきたりするさ」

言いながら入れられたお茶とお菓子をそれぞれに渡してくれる長曾我部殿。煎茶のいい香りがふわりとして、ちょっと和む。
あ、毛利殿受け取るなり一口口に放り込んで心持ち満足そうな笑顔だわ。

「あら、美味しそうなカステラだこと。というか、こっちにもあるのねー」
「ちっさいころに作り方聞いたからな。すっかり定番になっちまった」
「あら、じゃあこれ貴方の手作り?・・・こっちの元親にも見習わせたいわね」
「こやつの作る菓子は全て美味ぞ。そちらでは作っておらんのか?」

一口大に切って口へ運べば・・・なにこれホントに美味しいんだけど。
そしてちょっと自慢げな毛利殿。何この可愛い子(2回目)。

「こっちの元親の料理なんて、松永いじめにしか使えないわよ。見た目はキレイなくせに・・・えぇ、もうホントに・・・ふふふ、やっぱり世界の違いは大きいわねー」
「め、目が虚ろになっておるぞ・・・?」
「つーか何があったんだ、そっちの松永殿・・・」

ちょっとした阿鼻叫喚図を思い出した。
うん、ホントにあれはひどかったわ。まだ作ったものがヘドロ状になる(最近は大分原型止めてきたけど)かすがちゃんの方が危険性が判りやすくて安全だってくらいひどかった。
ていうか、そんなトコロで世界の違いを痛感したくなかったのだけど。
で、松永に何があったって?

「あの爆発狂のfungo・・・きのこ髷、よりにもよって私が休暇取ってる日に広島城に攻めてきてね・・・とっ捕まえて簀巻きにして、たまたまあった元親作の料理口にねじ込んでやったら泡噴いて白目剥いてぶっ倒れたわよ、うふふふふ・・・」

ざまぁみなさいハ○ソンの回し物め。・・・あ、二人ともお茶噴いた。
大丈夫かしら?



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ハド○ン社員様に他意はございません。念のためww

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