ゴウルカ&ユダキラ10

保管庫(SB)


『父の日の夜、貴方の本当を見つける』 ゴウルカ前提キラ→ルカ〜特別な夜シリーズ6



ルカの家庭事情は複雑だ。特に、父親に関しては。
だから、この時期彼はどうしても精神的に不安定になる。街中やデパートで嫌でも目につく「父の日」の単語に、彼はどうしても精神を揺さぶられる。
ゴウはそんなルカを気にしていたし、何でもしてやりたいと思っていた。支えてやりたいと思っていた。
…だが、これはちょっと本気でどうしようかと思った。


「…る、ルカっ」
裏返った声で恋人の名を呼べば、背中でもぞもぞ動く気配がした。首を巡らせれば、背中にくっついていたルカがゴウを見上げているのが見える。
「なんだ?」
小首を傾げて問い返すルカに、ゴウはどぎまぎする。背中が温かい。いや、むしろ熱い。
「ちょ、ちょっと一瞬でいいから離れてくれないかっ?」
「…このままは嫌か?」
「い、いや、嫌とかではないのだが…」
語尾を濁らせて、ゴウは唸る。しかしルカは「嫌とかではない」のゴウの言葉に安心して、更に体を密着させ、彼の背中に頬を擦り付けた。
正直、ゴウは困っていた。こんな風にルカがゴウに甘えるのは珍しい。しかも今回は唐突だった。心の準備ができていなかった。…理性が吹っ飛びそうだと思った。
ルカ可愛い。どうしよう、ルカがとても可愛い。可愛いとかの言葉では言い表せられない程ルカが可愛い。
日頃のルカは冷静で、綺麗という言葉が似合いそうな雰囲気だったから、こんなルカは本当に珍しい。いや、可愛いのが駄目とかじゃなくて、いや、日頃のルカも惚れ惚れするけど、いやいやでもこんなのもたまにはいい…って俺は何考えているんだ。ルカ可愛い。どうしよう、ルカがとても可愛い。可愛いとかの言葉では言い表せられない程ルカが可愛い。
ゴウはこの時、本当に混乱していた。でもルカから離れられないのは、彼がこの時期不安定になっているのを知っていて、そんな彼の為にゴウ自身何かしてやりたいと思っていたからだ。
「こんな風にお前の体温を感じていると、落ち着く」
ぽつり、とルカの口から言葉が零れ落ちる。ゴウは思わず後ろを振り返り、困ったように眉を落とした。
ルカがこんなことで心の安定を得られるなら、本当に嬉しいとゴウは思う。
「…そうか、それはよかった」
でもこっちは理性がはち切れそうだよ、ルカ。


そんな二人の様子を影から見ている人物がいることに、誰もこの時気付かなかった。





…父の日?(聞くな)

でもたまには甘いのを書きたかったんだよ!シリアスばかりだったじゃないか最近!ここら辺で栄養(萌)補給してもいいじゃないか!と自分に言い訳しながら書きました(・∀・)七夕が長くなりそうだったので気持ち(でもないけど)短めに。…キラが出ているようで出ていないのはスルーな方向で(笑)

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