ゴウルカ&ユダキラ7

保管庫(SB)


『エイプリルフールの夜、貴方を試す』 ゴウルカ前提キラ→ルカ〜特別な夜シリーズ3


「ねえ、ルカさん。大切な話が、あるんです」
寮の廊下でたまたま擦れ違ったキラは、突然ルカにそう告げた。背後からかけられた声に振り向けば、へらへら笑っているキラと目が合う。その表情は『大切な話』という単語にひどく不似合いな気がして、ルカは思わず眉根を寄せた。
肩越しに振り返った格好のまま固まるルカに対し、キラは体ごとルカへと向き直る。
「聞いて、くれますか」
小首を傾げて、やはり彼は笑う。この表情はルカにとってあまり喜ばしくないものだ。それでも他に助け舟を出してくれるような者は周りにおらず、ルカはキラと一対一で対峙しなくてはならない。
少し逡巡して、やはり無視しきれずルカはキラに問い返した。
「どんな話だ?」
ルカもキラに正面を向ける。キラは話を聞いてくれることに対し、ありがとうございます、と礼を述べてから、そのままその場で話をし出した。
「俺、貴方のことは諦めることにしました」
「え?」
唐突な言葉だ。ルカは目を丸くする。
ルカはゴウと付き合っている。ルカはゴウが好きで、ゴウもルカを好きだと言ってくれたから。しかしキラはそれを知っているにも関わらず、ルカに告げたのだ。「貴方が好きだ」と。拒むルカに、それでも諦めないとキラは宣言していた。バレンタインの日には揺さぶりをかけられたりもしたし、その翌日、ルカの机から差出人の名前がないチョコレートガ出てきたりもした。ルカはおそらくキラからだろうと思ったが、確認はしていないし、ホワイトデーも何もしなかった。そうして月日は流れて、今に至る。
あれだけのアプローチをしていたキラが、諦める、とルカに告げた。突然な展開にルカはついていけない。
唖然としてキラを見るルカに、キラも視線を返す。しかし数秒の後、キラは突然噴き出した。ルカの目がますます丸くなる。
「何を、笑っているんだ?」
口元を手で押さえて笑い続けるキラに、ルカは困惑して問いかけた。若干不機嫌そうだ。
キラは先程のへらへらとした笑みとは違う、純粋な笑顔でルカを見た。
「だってルカさん・・・なんだか残念そうに俺を見つめるから」
「・・・・・」
ルカはキラの言葉を理解するのに長い時間を要した。
「違う!そんなことはない!」
噛み付くように否定するが、それでもキラは楽しそうにしている。ルカは今度こそキラを睨み付けた。
「そんな怖い顔しないで、ルカさん。・・・諦めるというのは、嘘だし」
「う、そ?」
「そう。だって今日はエイプリルフールでしょう?」
・・・完全なルカの失態だ。そうだ、今日は四月一日。すっかり失念していたが、エイプリルフールだ。
ルカは己の迂闊さに、思わず地団太を踏みそうになった。しかしそれも大人気ないので、渋い顔をつくることで我慢する。
キラは笑みを深めた。
「でもよかったよ。ルカさん、俺のこと少しは興味もってくれているみたいだね」
「違う!私はそんな顔していない!」
キラはルカの言葉など聞いていないようだった。鼻歌でも歌いそうなほど上機嫌な様子で、それじゃあとルカに別れを告げる。
廊下の向こうに消えていく影に、ルカは複雑そうな様子で拳を握った。

もし、もし万が一私が変な顔をしていたのだとしたら。
それは、突然な話への不信感を隠し切れなかったためだ。
ルカはそう結論付けた。





ハッピーエイプリル!(´∀`*)(別にめでたくはない、という突っ込みは受けてたちましょう/笑)

エイプリルフールなんてイベント、すこーんと忘れていたのですが、オフ友Sから嘘をつかれ、「エイプリルフールだよ」と言われて初めて気付きました。本当だ本当だ!簡単に騙されちゃったけど今日は四月一日だったね!(笑)

イベント小説今年はやる、と言ったのもあったのでささっととりあえず仕上げてみました。恋敵の新作書くつもりだったけどね!(笑)(これから書きます!)

それにしても嘘をついていい日なんて・・・まさにキラのためにあるイベントですね。ルカもあっさり騙されてしまいました。この二人これからどうなるのかなふふ〜ん(´v`*)(他人事!)(いえ、ちゃんと最後だけは考えてありますよ/笑)でもせっかくイベント絡みでここまできているので、一年分のイベントぐらいはしつくしたいですね(またそんな自分を追い詰めるようなことを書く・・・)


ではとりあえずさくさく他の文章も書いてきます!


誤字脱字はこっそりお知らせしていただけると嬉しいです。


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