夢想家(前半/恋敵6)

保管庫(SB)


『夢想家〜前半』 (ユダ+ゴウ)→ルカ〜恋敵シリーズ6

好きな人がいるというのは、幸せなことだ。好きな人が笑っているだけで、こちらまで幸せになれる。
目の前で輝くように笑っている想い人に、彼はそんなことを考えた。
そう。例え、相手にこの想いが全く伝わってなくても。全くこの好意に気付いてもらえてなくても。時々無性に切なくなってもだ。
・・・・・。
いや、正直に言えば想いを通わしたいとは思う。そんな夢をみることはある。
満面の笑みを浮かべる彼を見ながら、あの笑顔を独り占めできたなら・・・と願うと、まるでその心の声が聞こえたかのように不意に彼がこちらに振り返った。
目が合って、どうした?と首を傾げてみせる。すると彼は幸せが溢れ出ているように笑みを深めた。無表情な彼にしてはとても珍しい。何かいいことでもあったのだろうか?
“紹介したい人がいるんだ”
彼は笑顔のままそんなことを言い出した。一体誰を?と問い返そうとすれば、想い人の側に誰かがいることに気付く。いつの間に。
その第三者は、あろうことか自分の想い人をおもむろに抱き寄せた!
・・・茫然自失とはまさにこのことかもしれない。しかも話はそこで終わらなかった。
その不届き者は当然のように想い人の綺麗な銀色の髪を指に絡めて、そしてさも今気付いたと言わんばかりにこちらを見てきたのだ。その口元は笑みを描いている。
想い人は想い人で、その赤い瞳をうっとりと潤ませて男にすり寄っていた。
ど、どういうことだ?
唖然とする自分に、想い人はやっとこちらに目を向ける。そしてにっこりと、一番眩しい笑顔をこちらに見せた。
“紹介するよ、私の最愛の恋人だ”
投下された爆弾発言に、意識が一瞬遠のく。想い人に恋人、と紹介された男は、自分の・・・恋敵だった。
「・・・・・っ!」
そしてユダとゴウはその夜、それぞれ自分の叫びで同時に悪夢から目覚めた。


ユダは非常に疲れていた。それは、どの天使から見ても明からだった。
普段のユダなら、疲れを他の天使に悟られるようなことはしない。どんなに疲れていてもユダの肌はつるつるぴかぴかで、疲れを微塵も感じさせない輝きを放っているからだ。
それは、ストレスを人一倍感じる立場でありながら、誰よりも綺麗でなくてはならない神官達の憧れの的であるほどである。・・・話がずれた。
ユダは疲れている。しかしここで問題なのは、ユダ自身がその原因を把握していながら、なにもできないことにある。
「・・・・・・」
ふらふらとした足取りで、ユダは天空城のその食堂に顔を出した。そして、半分無意識的にその目を細めた。
「ああ、ユダおはよう。今朝は遅かったな」
ユダに振り返り、爽やかに笑って見せるのはルカだ。いつ見ても綺麗な顔で彼は微笑む。その笑顔にうっとりする間もなく、その隣にいた陰がユダの視界に入った。
「よう、ユダ!寝坊だぜー」
満面の笑顔で手を振る天使、ゴウの友達でもあるサキであった。
ユダは悟られないように青筋を浮かべると、自然に見えるよう微笑んだ。
「おはよう、ルカ・・・そしてサキ」
これがユダの疲労の原因のひとつである。


さて。話は変わって今、天界は騒がしい。天界最大の行事、聖霊祭の準備が始められているのである。
聖霊祭といえば、天使全員が楽しみにしている行事であり、日頃大して親しくない天使や、むしろいがみ合っているような天使までもが準備を通して心を通わせるような行事である。そして今年、ルカは同じ仕事を割り当てられたからという理由で、よりにもよってサキと仲良くなってしまったらしい。
いや、『よりにもよって』とか『しまった』という表現はサキに失礼だ。それはユダにも分かっている。しかしユダにしてみれば、どうしても『よりにもよって』で『しまった』という心情である。
なぜか。それはサキがゴウの親友で、ゴウはユダにとってルカをめぐった恋敵だからである。
つまりユダの疲労、いやこの場合は心労だろうか、の理由の一つは、ルカがサキと仲良くなり、二人一緒に行動することが多いことにある。
ユダは朝食であるパンをちぎりながら、仲良くおしゃべりをしているルカとサキを見て、小さく溜息をついた。
「・・・サキ、今日は一体どんな用があったんだ?」
ユダは横目でサキに問いかけた。言外に『用が終わったならさっさと帰れ』と言っているわけである。しかしサキはそんなことに気付かない様子でへらっと笑った。
「ルカに確認してもらいたい資料があったんだよ。あとついでに友達のゴウの顔でも見ておこうかと思ってな」
「・・・それはそれは友達思いだな、いいことだ」
「だろ?俺様は思いやりにあふれてるからな〜」
「・・・・・・・・・・で?もしかしてゴウはまだ起きてきていないのか?」
「いや、レイの話ではいつもより早く起きてきたらしいんだけど」
サキが肩をすくめる。サキの話の続きを、今度はルカが話し出した。
「レイの話では、この世が終わったような顔で鍛錬に行ったらしい。夢見が悪くて、少しすっきりしたかったそうだ」
・・・一体どんな夢を見たのか。ユダ自身、今朝は悪夢にうなされていたので気になるところである。
「・・・で、二人一緒にゴウを待っていたのか?」
ルカとサキは同時に頷いた。二人一緒とは、羨ましい限りである。ユダは内心苦い顔をする。
しかしルカは更に、ユダを見て首を傾げた。
「それにユダも珍しく遅かったから気になって待っていたんだ。ユダは、今朝はどうしたんだ?」
ルカのさりげない言葉に、ユダは目を丸くする。
体の奥底から、温かなものがあふれ出る。
「・・・いや、今朝は俺も夢見が悪くてな。少し、寝過ごしただけだ」
ルカはそうか、と納得した。淡々とした親友の声。だが、その声には心配の響きが含まれていて、ユダは現金だと思いながら嬉しくなった。長年一緒にいたユダだからこそ聞き取れたものだ。長年、ルカだけをみつめていたからこそ聞き取れたのだ。
胸に生まれた温かな感触を実感しながら。ユダは小さくちぎったパンを一口口に運ぶ。そしてふと、思いついた。
「ルカ。よかったら今夜、俺の部屋で一緒に酒を飲まないか?いい酒が入ったんだが」
前回、諸々の事情で流れてしまった誘いだった。ユダは眠れない時、よくルカにそうやって酒に付き合ってもらう。大抵ルカは承諾してくれるので、久しぶりに二人でゆっくりできるかもしれない、という期待を込めてユダはルカを見た。
しかしルカは申し訳なさそうに眉を落とした。
「悪い。ちょっと用事があって今夜は早く帰れそうにないんだ」
・・・・・。・・・・・。
困ったように瞳を揺らすルカを、どう責められようか。ユダはいや、それならいいよ、無理はするなよ、とルカに笑ってみせる。・・・正直へこんだが。心にぽっかり穴が開いたが。しかも奈落レベル。ユダはこっそり目元に浮かんでそうな涙を拭う。
これがユダの心労原因二つ目である。最近ルカの付き合いが悪いのだ。確かに聖霊祭の準備もあって忙しい時期だが、いつもはもっと余裕があった。一瞬避けられているのかとも思ったのだが、どうやらそうでもないらしい。・・・謎だ。
サキは食堂の入り口を見ながら「それにしてもゴウ、本当に遅いよなあ」と手持ち無沙汰に指を鳴らしていた。呑気なサキが思わず羨ましくなるユダである。
するとその時、控えめな声でユダを呼ぶ声が聞こえてきた。振り返ってみれば、紙の束を抱えたユリが食堂の入り口から顔を出している。
「お食事中失礼します、ユダ殿。少し目を通してもらいたい資料があるのですが、よろしいでしょうか」
ユリは、今年の聖霊祭でユダと同じ担当だった。資料もそれ関連だろう、とユダは考え、パンを飲み込む。
「ああ、すまないユリ。今朝は少し遅れてしまった」
ユリから資料を受け取り、そう謝れば、ユリはいいえ、と首を横に振る。線の細い外見を持ちながら、強い意志を感じさせる瞳。しかし彼は柔らかくユダへ微笑んだ。気にしないでください、の意味らしい。本当にできた天使だ。
するとそこでサキが大声を上げる。
「なーところでよー。ユリ、ここに来る途中でゴウ見なかったか?」
「・・・ゴウ殿?」
怪訝な顔で問い返すユリに、ユダが補足説明をする。
「朝早く鍛錬に出かけたらしいんだが、まだ戻ってきてないんだ。見てないか?」
サキ。ユダ、そしてルカの視線がユリに集中する。ユリは三人を順に見て、それから小首を傾げた。
「ゴウ殿なら・・・ここの玄関で倒れているのを見かけましたが」
「はあ!?」
ユリの言葉に、三人は目を剥く。最初に動き出したサキに続いて食堂から顔を出せば、確かに玄関に倒れている影がひとつあった。
髪の色や服装から判断して、確かにゴウだ。
「な、なんでお前放っておいたんだよ!」
「耳元で大声を出さないでください、サキ。状況を分かりかねたので余計な真似をしなかっただけです」
「それってつまり放置だろ!?ゴウ、ゴウ!死んでるのかー!?」
サキは駆け出した。その後姿を見送りながら、ユダとルカは顔を見合わせる。
「・・・普通、問いかけるなら『生きてるか』だと思うのだが」
「全くもって同感だな」
そして二人は吹き出した。


サキの必死の呼びかけ・・・と言うか叫び声の甲斐があってか、ゴウはすぐに目を覚ました。しかし寝惚けていたらしく、ゴウは目を開いてから覚醒するまでの間、ずっと目の前のルカを凝視していた。覚醒したのはユダがこっそりゴウの腕を力いっぱい抓ったからである。
それから流れでユダとゴウは一緒に遅めの朝食をとって、五人で外に出た。サキ、ルカ、ユリが前に三人並んで、後ろにユダとゴウがつく形である。ルカは珍しく饒舌になっているようだ。サキとユリに挟まれて三人での会話を盛り上げている。そんなルカを見ながら、ユダは複雑な気分になってゴウに話しかけた。
ゴウはユダの言葉に目を丸くした。
「・・・は?サキが最近ルカと仲がいい?」
ゴウは気付いていなかったらしい。困惑したように眉根を寄せ、前の三人を気にしながら声を潜める。
「・・・それは本当なのか?」
「少なくとも俺はそう思ったが・・・。というかゴウ、お前知らなかったのか?」
「知らなかった・・・」
ゴウが項垂れる。「そういえば、ルカとサキの仕事は同じだったな・・・」と初めてその事実に気付いた顔をしている。ユダは少し呆れると同時に、少しほっとした。この調子なら、ゴウがサキを通じてルカと関係を深めている様子はなさそうだ。
そしてそう考えているずるい自分に少し凹んだ。
「・・・どんな風に仲がいいんだ?」
ゴウが真剣な顔で問いかける。ユダは少し考えて口を開いた。
「結構二人で一緒にいることが多い感じだな・・・この前もルカがこっちに資料を届けてくれた時、サキを伴って来ていた。更にシヴァからの情報によれば、昼食は二人でとっていることが多く、その後の休憩時間は二人そろって姿を消していて、仕事が始まる時間帯になると二人で一緒に現れるらしい」
「・・・お前、またシヴァをそんなことに使って・・・」
「人聞きの悪い。向こうが勝手に喋ってくれたんだ」
ゴウが哀れむような表情をするので、ユダはむっとする。ユダはシヴァの好意に気付いているが、そんな利用するようなことは決してしない。少なくとも、本人はしていないつもりだった。
ゴウは何とも言えない表情をして、そして口をへの字にする。
「それにしてもサキとルカは二人で一体何をしているのか・・・」
二人の間で沈黙が流れる。色々な想像がそれぞれの頭を駆け巡り、口が重くなった。
すると、それまで前で楽しそうにお喋りをしていた三人がこちらを振り返る。
「なんだよ、ユダもゴウも。そんなに知りたいのか?俺とルカが、何をしているのか」
サキが突然そんなことを言い出す。後ろの会話を聞いていないと思っていたサキがそんなことを言うので、ユダもゴウも唖然とした。体が反射的に硬直する。
何も言わない二人にじれたのか、サキは不意にルカの肩を引き寄せた。驚いたのはユダ、ゴウ、そして引き寄せられた本人のルカだ。
「サキっ!」
ルカはサキに肩を抱かれた格好のまま、声を上げた。サキの胸を押し返しながら離れようとするが、抵抗がいまいち弱々しい。サキがより一層体を寄せて、ルカの頬に自分の頬を押し付けるようにすれば、ルカの頬がさっと赤くなった。
ユダとゴウは開いた口が塞がらない状態になる。サキは満足そうに笑った。
「俺たち、最近付き合い始めたんだ。昔から両思いだったらしくてさー」
そんなことだからよろしく!とサキが手を上げる。ルカは恥ずかしそうにユダとゴウに視線を向けたが、サキの言葉を否定しない。
それはつまり、そういうことで。
「う、嘘だあああ!!」
ユダとゴウは叫んで、そしてその目を覚ました。


・・・悪夢だ。しかも二夜続けての、似たような悪夢。あまりにも同じ展開を見せる夢に、夢とは無意識の心によると言うが、自身はそんなに想像力に乏しいのだろうか、とユダは乾いた笑みを零す。つまりは沈んだ気持ちを紛らわせようとしているだけだが。
悪夢で目を覚ましてしまい、どうしても眠る気になれなかったユダは今、食堂にいた。コーヒーでも淹れようかとも思ったが、流石にこのまま一睡もしないのはまずいと思い、ホットミルクを淹れたカップを手にしている。
今朝、ゴウと共に朝食を取って、五人で外に出たのは本当だ。そしてゴウに、ルカとサキの仲について話したのも事実。その後は方向の違うゴウ、ルカ、サキと途中で分かれて、ユリと二人で聖霊祭の準備のため中央の広場まで歩いた。
そしてその時、ユダとゴウの会話を聞いていないはずのユリから「最近サキはルカ殿と仲がいいですよね・・・」と言われてしまったのである。
「・・・・・」
ユダは一口、ミルクを口に含んだ。
最近のルカとサキは仲がいい。どうやらそれも事実らしい。
サキが恋敵となるとは決まっていない。それは分からない。しかしただでさえゴウが恋敵になった時から悩みが尽きないのに、これ以上悩みが増えたら天使といえどもはげそうだ。・・・つまりは沈んだ気持ちを紛らわそうとしているだけだが。
しかし、何かがおかしい。何かがひっかかる。サキが恋敵になったらユダは困るのだろうか。困るに決まっている。何かがおかしくないか。何か肝心なことを忘れていないだろうか。
「・・・・・本当にはげたらどうしてくれる」
つい独り言を漏らして、空になったカップをユダは洗って片付けた。眠れるか分からないが、寝る努力はしてみるつもりらしい、
部屋に戻ろうと一歩踏み出す。ふと、夜闇に包まれた外が窓越しに見えた。そしてその暗い中で輝く銀色の光が見える。
「・・・?」
ユダはもう一度、窓の外を見た。銀色の光が見える。目をこすってよく見てみれば、それは美しい銀髪の輝きであった。
ルカだ。
ルカはユダの視線には気付かない様子で、こちらに背を向けたまま歩いている。こんな夜遅く、一体どこに出かけようとしているのか。
「・・・・・」
ユダは先程と逆、天空城の玄関へと足を向けた。


ルカは黙々と夜の天界を歩いている。ユダは彼の後を、気付かれないようについていった。
今朝、今夜一緒に飲まないかと誘いをかけたユダにルカは「用事があるから」と言って断っている。これから用事を果たしにいくのだろうか。
ルカは中央の広場を通り、湖の側を過ぎ、そして更に歩いた。ユダもそれに続く。ユダは眉根を寄せた。
ルカの向かう先には、何もないはずだ。強いて言うなら森が一つあるが、あそこは他の森に比べて木々が多く茂っているため暗く気味が悪いので、昼間でも滅多に天使は近寄らない。
ふと、ユダは思った。そんな場所だからこそ、密会には最適かもしれない。
「・・・まさか、本当に」
ルカには誰よりも大切な存在ができてしまったのだろうか・・・。
ルカが木々の陰に隠れる。ユダは慌てて追いかけた。するとその時。
「っ!!」
ふいに前方の小道から影が飛び出した。咄嗟のことで油断していたユダは影と正面衝突する。なんとか声を抑えて地面に倒れこみ、顔を上げれば、予想外の人物がそこにいた。
「ゴウ!どうしてお前ここに・・・」
驚いて目を丸くすれば、ゴウも似たような表情でこちらを見る。
「ユダこそ!こんな時間に何をやっているんだ?」
二人は沈黙した。しかしふ、と同時に向けた視線で、二人は同じ目的でここにいることが判明する。
二人が見たのは先程までルカがいた方向だ。すでに彼はそこから姿を消しているが、どうやらゴウもユダと同じく、ルカを追いかけていたらしい。
「・・・ルカ、か?」
ユダが最初に口を開けば、ゴウは素直に頷いた。聞けば、また夢見が悪かったらしく、鍛錬に出かけていた時にルカを見つけたらしい。
「・・・ルカはどうしてこんな時間に・・・?」
ゴウがユダに問い返す。しかしユダもそれは分からない。黙って首を振れば、ゴウは不安そうな顔をした。
「・・・・・」
二人の脳内に、先程の悪夢が蘇る。表情が曇った。
その時、暗闇に包まれていたそこに光が浮かんだ。二人の顔を照らすそれに思わず目を細めれば、驚いたような声がかけられる。
「ユダ殿、ゴウ殿!どうしてこんな所にいらっしゃるのですか?」
振り返れば、ランプを片手にしているユリと目が合う。ユリは不思議そうな顔で、とりあえず二人から光をそらした。
ユダとゴウは顔を見合わせる。お互い、なんと言ったものかと考えている様子だ。仕方なくユダがユリに逆に問いかけた。
「ユリこそ、どうしたんだ?こんな所で」
「聖霊祭が近いと、羽目を外す天使が多くなるので見回りをしていました」
「羽目を外す天使・・・?」
今度はゴウが問いかける。ユリは頷いた。
「ええ。肝試しや花火をして物を破壊したり、恋人と密会したり。いつもなら何てことないなのですが、この時期は気が大きくなって騒ぎになりやすいのです」
「恋人と密会・・・」
ユダとゴウが心なしか顔を青くする。ユリはそんな二人に首を傾げた。
ユダは振り返る。先程までルカがいた方向だ。すでにそこにはルカの姿はない。追いかけることはもうできない。
・・・不安が胸をよぎる。
しかしユダは気丈にもゴウを伴い、ユリに別れを告げ、天空城へと戻りだした。
道中、ユダもゴウも無言だった。


ルカに好意をもっている者が増えたら。ユダは困るだろう。
ルカに愛しい人ができたら。ユダはつらく思うだろう。

ルカに好意をもっている者が増えたら。ゴウは困るだろう。
ルカに愛しい人ができたら。ゴウはつらく思うだろう。

しかし、何かひっかかる。何を?と言われても分からないが。

道中、二人はもやもやしたものを抱えながら、天空城へと戻った。


 終

  後半へ→


  多少の文体の変化は気にしないでいただけるとありがたいです(・∀・)(なんといっても数ヶ月ぶりの文章打ち)

  ユダとゴウはルカに振り回されまくりです。そんな三人の関係図が大好物な春雪のことは今までのシリーズで薄々皆様感じていたでしょうが(笑)そして今回扱いがとってもひどかったシヴァ。サキ・ユリよりもひどいです。原作では一応準主役級なのですが。ちなみにシヴァは、ルカの話をする時はユダが相手してくれるのを知っているので、ルカの情報に敏感になっています(可哀想なシヴァ!/しかし全力で楽しそうな春雪)





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