大人の恋愛事情〜視線〜

保管庫




リキッドとやりてぇみたいだけど……タチよりネコだろコイツ。
リキッドをいじめていると飛んできて噛みついてくるんだけど、目がよ、誘ってるみたいに潤んでたりすんだよ。
なんだろうなぁ…Mの匂いがして堪んねぇんだ。
黒髪ってのがよくねぇよな…。
マーカーもそうだけど、なんか、無駄に艶っぽいんだよ。
時々見える項とか。結構クるわけ。

あと着物ってのもヤバイな。
俺からすりゃあコスプレみたいなもんだよ。
ストイックな感じがそそるね。

きっちり襟を正して。
これも時々見える鎖骨がイイ。

なんつっても裾が肌蹴て見えちゃう生足がエロい。
隠している分、見えた時の興奮は倍かそれ以上。
いるじゃん。
体毛の薄い男って。足の毛が薄いんだ。

しかも着物ばっかで露出がないせいか、白いんだよ。
ちらっと見しかしてねぇけど、キレイな足してやがった。

極め付けはふんどし。
いったいどうやって股間に付けてるかは知らねぇが、Tバッグよりも断っ然エロい!
あの股間部の盛り上がり具合いもいい。
白い布、てのも何だか卑猥な感じがしていい。
きゅっと上がった尻に挟まれた白い布。
…挟まれてみてぇ。

一度でいいからふんどし付けたままバックで犯してみてぇな。
布だけずらして、隠れた蕾を無惨に散らす。
そんな想像しただけで勃っちまうなんて、俺も相当キちまってる。
ま、こんなこと言ったらまた固まっちまうだろうから、おくびにも出さないつもりだけど。

じわじわと追い詰めて、逃げ出せないようにしてから、たっぷり頂いてやろう。
たまには長期戦で落としてみるか。

そんな俺の思惑を知る由もなく、今日も長い髪揺らしてタバコの煙をあげながら、獲物はリキッドのところへやってきた。
さぁて、何をして遊んでやろうかな。



『タイプが違い過ぎるんだよ、アイツとコイツ』


―――(トシゾー視点)―――


普段はどーしようもねぇグーダラ親父なんだよ。
酒と煙草は常備。リキッドに対してのセクハラは日常茶飯事。
俺に対しての嫌味や喧嘩言葉は顔を合わした瞬間、口に上るらしい。

けど、最近気になるのはあいつの視線。
なんだろうなぁ。
あいつの視線が刺さってくる気がしてならない。
俺の事を見ているなんて自意識過剰なんだろうけど…。
一度だけ、気になったから視線を感じている時に振り返ってみたんだ。

ばっちり目が合った。
何か言われるかと牽制の意味を込めて先に睨み付けたら、ニィって、笑われた。
背筋がぞくっとくる、笑い。
寒くて、怖くてじゃない。

なんか…腰が痺れるような…。
それ以来、極力気にしないようにしていたけど、やっぱり背中に視線は感じる。
あの時焼き付いた、鋭い、獣の目付き。

項から、毛先。毛先から、腰。
腰から、尻。
何を見ているか、確認するのが最早怖くなっている。
聞いたら後に引けなくなりそうで…。

昔の記憶が蘇りそうになるんだ。
ここの暑さとは違う、あの蒸し暑い夏での忌まわしい思い出が。
あの男の手によって調教されてしまった体が、意思よりも早く、あの男を察知しようとしている。

熱い視線。触れたらどうなってしまうのか。
試してみたくなっている。

相変わらずリキッドにセクハラまがいのちょっかいを出しているこいつを、意識しないようにしているものの、まともに視線を合わすことが出来ないでいる。

見つめ合って触れ合って。
その熱で燃やし尽して欲しい。

心の奥底。本能が叫びを上げているのに気が付くのは、もう少し先のこと。



『認められるわけがねぇ。俺はもう、忘れたいんだから』
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