chapter3ー07『教育係の使用人』

終末アリス【改定版】



 
 蜥蜴のビルの先代ジョーカー。王子の教育係となった使用人である女性。彼女は地味な女であった。
 目立たず、主張せず、個性的でもない埋没する容姿。
 そばかすが少しだけ残るものの、睫毛は長く、瞳は大きい。眼鏡をかけて、肩より長めの髪は左右に二つ、お下げにして結っている。
 服装は使用人が着用する地味なエプロンドレス。裾は足首までの長さのものを、化粧といった類いの嗜好品や装飾はしていない、そんな飾り気のない女性だ。
 当時のダイヤである時兎とは同じ年齢で役持ちのジョーカーを引き継いだ彼女はそつなく役をこなした。
 公平であれ、肩入れをするな。退屈は気のせいで、好奇心は殺す。
 地味で目立たないものだから誰にも気付かれず、誰もが彼女を気に留めない。
それが普通であるから彼女自身も特別にそれを意識した事はないし、役持ちに選ばれた理由を深く考えてもいなかった。

 彼女の先代ジョーカーはなんといったか。けだるそうな人物だった。
 何もかもか面倒で、何もかもか退屈で、生きてるのが億劫だとどうでもよさそうに笑う人物だった。
 瞳はただ目の前の彼女を映しているだけ。痩せぎみの体躯は元からで、目の下の隈も単純に寝ていないからだ。
 曰く寝ても覚めても似たようなものだからだそうだ。夢を見ない。寝なければ頭がぼんやりとして退屈が紛れるような気がするかと思ってな、と彼は言った。
 引き継ぎの際に特性を語るかはその役持ちによる。
 どんな役持ちかはなれば分かると何も言わずに引き継ぐ者も居れば、ご丁寧に副作用を教えた上で引き継ぎをするかと尋ねてくれる者も居る。
 このジョーカーは後者寄りだった。
『…………お嬢ちゃんは、何だ。最初から壊れてるタイプか。全部が他人事で見てるだけの存在だともう思ってやがるな。ああ、いいな。面白い』
 笑う。笑える。笑われる。元からで薄笑いを浮かべていた彼は、何十年か振りに笑い声を上げた。
 くはっ、という人を小馬鹿にしたような嫌な笑い方だったけれど、笑い方を忘れてしまっているならそれも無理からぬ話かもしれない。
『ああ、引き継ぎならもう終わったんじゃないか? 俺の時は接吻だったが。今から思えばあれは退屈凌ぎにからかわれただけだな、ジョーカーってのはマジでろくでもねえ――』
 ここで彼が言葉を止めたのは彼女が彼の唇を自身の唇で塞いだからだった。
さて、どれくらい触れていればいいのかと離れないまま考えた彼女を引き剥がしたのは耐えきれなくなった青年の方だった。
『終わりましたか、引き継ぎ』
『俺の話を聞いてなかったかお嬢ちゃん。引き継ぎは終わったって言っただろ』
『確定でないなら意味はないでしょう。それともまだ足りなかったですか? あなたと先代が引き継ぎをした時の事を教えて下さい』
『……………いや、必要ねえ。あんたはもうジョーカーだよ、俺が笑えた時点で既に終わってる。以上だ』
『いいえ、あなたがどんな引き継ぎをされたのか非常に興味があります。つまり、これがまだ完了していない証拠だと思います』
 完了している。完全に引き継がれている。その好奇心こそがジョーカーの特性なのだ。
 そして、恐らく彼女が自由に好奇心を満たせるのは今だけだと青年は経験から察した。
 まだ14歳の少女に語るには屈辱であり、気持ちの悪い内容だろうが、話せば好奇心はとりあえず満たされた気にはなるだろう。
 そう思ったから青年は語った。
 結果としては、青年は二度目の恥辱を彼女から受ける羽目になったのだけれど、それは割愛しよう。


 さて、そんな経緯を経て役持ちになった彼女が顔合わせを経て、まず初めに思った事は、己が場違いではないかという劣等感。
 鮮烈な真紅に苛烈なハートの女王。闇のような漆黒に寡黙で威圧感のあるスペードの王。
 長年生きているとは思えない若々しさから時の魔女とされるダイヤの時兎。そして先代から引き続けて貫禄のあるクローバーの帽子屋。
 対して特に特徴のない使用人である自分は、果たして役持ちに相応しいのか。そう笑顔の裏で考え続けて十二年間。
 ジョーカーの役を蜥蜴のビルに引き継いだ後に王子の教育係となった彼女は、一つの疑問を抱いた。
 ハートの女王が代々支配するこの世界だけれど、果たしてスペードの王は何の為に存在しているのか、と。
 表舞台には決して姿を見せないお飾りの王。だが、あらゆる全てに置いて彼が優秀だというのは誰もが何故か認めている事実でもある。
「黒の王。本日より王子の教育係となりましたフロッグと申します。次代へ引き継ぎなさる為に必要な事柄があれば何なりと」
 初対面の役持ちで顔を合わせた以来の再会は、義務的なものだった。義務的なものであり、同時に見極めたかったのだ。
スペードの王に意味があるのかどうか。将来的に王子がスペードを継ぐのだとして、ではそれはどうしてなのか。
 先代ジョーカーが言ったように退屈に満ちた十二年間を過ごし、同時に好奇心を殺し続けた彼女は、非日常に飢えていた。
 熱心になれる何かを欲していて、平穏な日々に飽きていた。
 そして、出会ってしまった。
「…………好きにしろ。あらゆる全てに置いて勝者になれる器があればそれでいい」
 吐き捨てる声は強制的な理不尽による憎悪に満ちていて、蔑む視線はあらゆる全てを見下している。
 漆黒の王。誰もが知りながら誰も知らない、その闇に、彼女は魅せられた。
 彼こそが頂点に相応しい。あらゆる全ては彼の踏み台で、あらゆる全てはただの駒。だと言うのに、スペードという役により彼は干渉を許されない。
 そのなんと美しい事か。
「承知致しましたわ、王。」
 私はこの方の為に喜んで駒となろう。ああ、何て素敵な殿方。
 役持ちという理不尽に耐える姿の、何と扇情的なのか。
 奇しくも、ハートの女王に心酔している紅の騎士。スペードの王に魅せられた使用人。そして、呪いを解こうと足掻く時兎。
 この三人が同期であり同じ年齢だというのも、皮肉なものだ。
 呪いを解きたい気持ちは同じであったのに。


 元ジョーカーの使用人にして王子の教育係になった彼女。フロッグは、基本的に苦手がない。
 やれと言われてやれなかった事は通常の範囲内で思い当たらないし、不相応かと思っていたジョーカーという役持ちもそれなりに出来ていた。
 だが、地味で素朴だと自身を評価するフロッグを、天才だとは誰も言わない。
目立たない容姿だから、彼女がそこまで優秀だとは誰も認識していないし、自身が優秀だと自覚していない。
 役持ちならば不思議はないし、役持ちならば出来て当然だという、そんな奇妙で強制的な当たり前を、普通に受け入れる時点で普通からは逸脱している事実に誰もが着目しないのだ。
 仮に、では彼女が類いまれなる美しさを兼ね備えていたならばどうだったか。
 女王のように完璧で、時兎のように目立たないながら美人だったなら、彼女もまた注目を集めていただろう。
 しかしながら、彼女自身――別に容姿にコンブレックスはなかった。特に美人ではないが、かといって醜い訳ではない。
 普通に普通の容姿。それで何が不満だとないものねだりをする必要があるのか。
 もっと綺麗に? もっと美人なら? そう見られたいなら化粧をすればいいのだし、誰かを羨むくらいなら自身を磨けばいいのだ。
 努力をしてそれで折り合いをつければいい。これが自分だ、それで何が悪いのか。可もなく不可もない自身を彼女は着飾らず、認めている。
 地味で凡庸。それが自身と周囲の共通認識であった。
「ねえ、フロッグ。あなた、紅様と親しいわよね、彼、恋人とかいるのかしら」
 とある日。同僚の女性にそう問われて、フロッグはどう答えようかと思案した。同僚である女性はスレンダーな美人だ。
 綺麗な長い金髪に、大きな翠の瞳。あの柔和そうに見える紅の騎士と並んでも違和感はないだろうし、彼女もそれは自覚しているに違いない。
 紅の騎士は競争率が高い。
 遊びでも女王の代わりでも構わないから恋人になりたいという女性が後を絶たないのだ。
 だが、それでフロッグが紅と親しいからと嫌がらせを受けた事はない。
紅の騎士が女王に忠誠を誓っているのは周知の事実であるし、万が一にでも地味で凡庸なフロッグが彼と恋仲になる事はないと誰もが思っているからだ。
 よって、フロッグはこうして情報を知りたいとお近づきになる機会の役割も務めている。好きにすればいいとは思うが、同時にそうしなければあの紅の騎士と知り合えないのかと疑問も浮かぶ。
「さあ、少なくともそんな話は聞いた覚えがないので何とも。」
 むしろ、あの男にそこまで魅了があるのかもフロッグには分からなかった。今でこそ紅の騎士などと持て囃されているが、彼とてフロッグと同じような凡庸な男だった。
 埋没する容姿。髪の色も瞳の色も別に珍しくはないありふれたものだし、確かに美形ではあるがそれだって彼と同じくらいの美形ならいくらでも居る。
 正直、紅の騎士と時兎ならば時兎の方が魅力的だし、現ダイヤの芋虫という美青年の方が色気もあるではないか(単に黒髪の方が好みという性癖を差し引いても、)そう思う。
「そっかあ、だったら私にもチャンスはあるかも知れないよね」
「えー、だったら私も紅さまとお近づきになりたいよう!」
「でも紅様、赤い髪の女性にしか興味がないって聞きましたよ?」
 紅の騎士に関する話で盛り上がる同僚たち。まあ、趣味とは人それぞれだ。あの詰まらない男がいいという女性も居れば、自分のように全く興味のない女性も居るだろう。
 しかし、紅の騎士ばかり騒がれているが、我が敬愛する王に関しては誰も話さない。聞いてみようかと好奇心が浮かぶ。
「ところで、紅さんより素敵な殿方は居ないんでしょうか」
「え? そうねえー、芋虫くんなんか妖艶って感じでいいわよね」
「ビルくんも顔は綺麗だよね」
「殿方ではないけれど、時兎様になら同性でも口説かれたいわ」
 なるほど。自分の次にジョーカーになった青年は顔だけは綺麗だと。
 まあ、あの冗長な面倒臭い話し方を知れば誰でもそうなるか。そして時の魔女とされる時兎も、何故か男女問わずモテる。
ダイヤには男女問わずモテるのが条件という制約でもあるのだろうか。ジョーカーが基本的に愉快犯な性質と同じ感覚で。
「黒の王は、どうでしょう」
 他にも何人かの名前が上がったが、誰も王には触れないのでフロッグが自ら名前を振ってみた。途端に空気が変わる。
「黒の王って……それは確かに、あの方以上なんていないでしょうけれど、」
「フロッグ。滅多な事は言わない方がいいですよ、あの方はそういう、ねえ?」
 恐れ多い。関わりたくない。軽々しく名前を告げるのも許されない。
 誰もが認めながら、誰もが見てみぬ振りをしている。フロッグにはやはりそれが不可解だった。


 蜥蜴の屋敷。相変わらず本で埋め尽くされた室内を眺めながら、フロッグは来客用の紅茶を自ら煎れて主を待った。
 机には見たこともない本がおいてあったので暇潰しがてらに読んでみる。作者は不明だが、妙に古い。
「始まりの物語――ですか」
 それは一人の少女の欲望から始まる、誰もが報われない話。しかし、どこか既知感があった。
 自分は既にこれを知っているのではないか。例えばそう――――これはまるで役持ち。ハートの女王から始まり、ジョーカーが強いた業。
 偶然にしては共通点がありすぎていて、笑えない。
「呪い――」 そうか。呪い。役持ちとは呪いなのだとすれば納得できてしまった。
 さて、ではどうして蜥蜴のビルがこんな本を持っているのか。
予期せぬ形で始まりの物語を知ったフロッグは薄く微笑んで、ちょうど良い頃合いになった紅茶を飲み干した。


「…………これはこれは、先代が私の元を訪れるとは思いませんでした。何の用です」
「聞きたいことがあったので。まあ、そのヒントはこの本にあったので確信はありませんが、その様子だと既にあなたは調べていたようですね」
 戻ってきた蜥蜴のビルは、まるで自分の部屋のように違和感なく馴染んでいる先代ジョーカー。使用人のフロッグを見返して、無機質に問い掛けた。
 フロッグはあっさりと簡潔に答えた。そして質問を重ねた。
「役持ちに対して、私は常から不思議だと思っていたんです。黒の王に会ってそれはますます増していき、ふと――あなたならば同じ考えではないかと思い立ち寄ったのですけれど」
 ビルはそうですか。と変わらない彼女を見返す。引き継ぎの時以来ではあったが、互いの印象は変わっていない。
「……ふむ。私もあなたには興味があったんですよ。何でもあなたの一族は異界と繋がる重要な鍵を担っているという情報を得たので、では、情報交換といきましょうか」
 蜥蜴のビルとフロッグ。
 現ジョーカーと元ジョーカーの再会はあっけなく始まり、そして――ゆっくりと歪んでいくのである。


 役持ちの呪い。それを蜥蜴のビルが知ったのは、時の魔女とされる時兎からだとビルは語った。
 詳細はどう尋ねても答えないらしいので仕方なく諦めたが。彼女が長年の知識で突き止め、そしてその呪いが続いているなら、ビルはそれを解く方法がないものかと調べ回っているのだという。
「どうやらこの世界にはその鍵に巡り会えそうにない。ならば別世界ならば何らかの手掛かりがあるのではないか――そう考え、そして行き着いたのがあなたです」
 ビルの発想は面白い着眼点だった。この世界以外に世界が存在するという前提で物事を考えて、尚且つそれがフロッグに繋がると言うのだ。
 なるほど、とフロッグも頷いた。心当たりはある。
「私の祖父は確かに、異世界の存在がある筈だと研究を重ねていました。その辺りを調べれば或いは――可能性はありますね」
 何とも奇妙な縁だと思う。試してみる価値はあるだろうし、それはとても好奇心を刺激する。
 未知に対する期待が満ちていく。
 呪いで成り立つこの世界と役持ちが解き放たれたらどうなるのか、この絶えず飽きる世界から退屈が消えるのではないか。
 黒の王も強制的な理不尽に苛まれず、王として君臨できるに違いない。ああ、なんという甘美な誘惑だろう。
「分かりました、私も呪いを解きたいという気持ちは一緒です。異世界への手がかりは私も調べてみます」
 こうして彼女は祖父の研究を人知れず引き継ぎ、鍵となる少女をこの世界に招く切っ掛けとなった。



 アリスという名前の少女が不思議な世界に迷い込む物語。その魅力に魅せられた創作は数多に存在する。
 このワンダーランドを最初に浮かべた人物もその一人だったのだろう。だが、本物には遠く及ばない偽物だという事実は変えられない。
 そうじゃない、それじゃない、きみはアリスになれない、きみはアリスじゃない。生み出されて否定され続けた少女の歪みが原初の物語に登場する。
 いつしか歪んだまま独立し、存在したこの世界にもそれはある。蜥蜴のビルはその物語を気に入っており、まさに状況は一致するではないかという歓喜から異世界の少女をアリスと呼んだ。
 銀髪を上に二つに分けて結われたツインテール。留め具にはトランプのマークがあしらわれ、服装は囚人を思わせる白と黒のボーダーと短パン。
 何故ここに居るのか。そもそも自分は何処に居たのか。
 間を置かず、少女は何もかも分からないまま蜥蜴と出会い、アリスという違う名前で二年間の逃亡を続ける羽目になる。
 その少女をこの世界に呼び出した使用人。フロッグは祖父の書物を手にしたままそれを見送り、信じられない面持ちで膝をついた。
 試してみただけで、確証があった訳でも、ましてや本気で召喚しようとすらしていなかったのだ。
 しかし、少女は現れた。条件は何だった。そもそも少女は本当に異世界の人間か。疑問は次々と浮かぶが、フロッグは震えていた。
 自らの肩を抱き締め、笑っていた。
 蜥蜴のビルは役から外れた。これで彼女を助けられるかも知れないと破顔した――あんな嬉しそうな彼の表情など初めてだ。
 紅の騎士から時兎の話を聞いてから。彼女が役持ちの役を自らに定着させたように、もし異世界の人間が居るなら同じ方法で定着させる事が可能なのではないか。
 代償は必要だが、試しなのだからと後払いで契約してしまった。
 自らの血で書かれたサインは消えない。これは禁忌だと祖父は記していた。
  『俺を開放したのはきみかい。よりにもよってジョーカーを引き当てるとは――いや? きみもジョーカーだったか、はは。ならばこれは運命か、』
 目の前の悪魔は、きっとフロッグにしか見えない存在だろう。
  『せっかく俺が厄を集めてあげたのに、そんなに気に食わなかったのかい。まあ、いいや。退屈が嫌いだろう、平和な生温さは飽きただろう、きみは俺だ。だから、代償は俺が勝手に貰おう』
 原理は分からない。だが、取り返しの付かない事だとは理解して、受け入れた。
 やって出来ない事はない。地味で凡庸だが、やれば出来てしまうのだ。ああ、世界は退屈で、夢中になれるものがないの。
 これから何が起きるのか、フロッグは何も知らない。しかし、確実に未知なのだ。ああ、甘美だ。
 歓喜に震えているはずの身体は、同時に恐怖していた。
  『大事な存在を無くしたら、人がどうなるか。俺は見てみたかったんだよ、だから退屈させないでくれよ』
 知的好奇心。退屈が嫌いな彼は恐らく、原初の時もそれだけの理由だったに違いない。
 退屈が嫌いな俺が公平を強いられるのは、どんな感じなのだろう。絶望とは何だろう。こうすれば、きっと面白くなる。
 そして、その役を一度全うしたフロッグも、例外ではなかった。これで呪いが解けたかどうかは分からないが、確実に何かは変わった。

「…………禁忌、」
 ならばそれも楽しまなければ損ではないか。大事な存在を失うのは仕方ない。それも代償ならば次を見つけるだけの話だ。
 幸いにして彼には息子が居る。ああ、あの端正な表情が理不尽に歪むのはさぞかし美しいだろう。
 そして、どうせ結ばれないのなら最期は見届けたい。
 微笑んだ彼女はもういつもと変わらぬ笑みで異世界の少女を呼び出せた条件を纏めるべく立ち上がった。
 次のジョーカーはあの赤い猫でいいだろう。

 そして悲劇は訪れる。時兎は居なくなり、王は紅の騎士によって暗殺されるのだ。


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