「はぁ?!合宿?!」

「そう、合宿」



ニッコリと笑って言う精市。

ちょ、聞いてないよ…しかも今週ってどういうことですか。




第5話:合宿へ行こう〜part1〜






「え、ちょ、急じゃない?!」

「と言っても湊、三日前くらいに言ったような気がしたんだけど…」

「…すいません、聞いてませんでした」

「グランド何週走りたい?」

「本当にすいませんでした」



朝っぱらから走るは無理でしょ…流石に。



「と言う訳で、明日は早いから、今日は早めに練習切り上げるよ」

「「うぃーっす」」









ミーティングが終わって、皆教室に向かって行く。

当然クラスが一緒だから、雅治とブン太も一緒な訳で…。

大きく溜め息をつくと、雅治が横目で見てきた。



「なんじゃ湊。何かあるなら言ってみんしゃい」

「…あのさ、合宿って何処が来るの?」

「そうじゃな…青学、不動峰、聖ルドルフ、山吹、六角…それに氷帝じゃ」

「…マジッすか」

「お前さん…本当に話聞いてないんじゃな」



何で関東の学校大集合なのよ…もう行きたくない…。










「はぁ〜…」

「溜め息ついてると幸せ逃げるよ?」



頬杖を着いて此方を向いてるのは、親友の伴中歩夢。

此処に転校して来て、一番仲良くなった子。

部活のこととか、いろいろ相談したりしている。



「だってさー、だってさー…普通四校ぐらいじゃない?」

「氷帝が居るんだし、それじゃ終わらないっていうのはアンタが一番よく分かるんでしょ?」

「う…」

「あ〜あ、女テニもそういうのあればいいのに…」



歩夢は女子テニス部に所属していて、私の事は全部知っている。

だから、こういう会話が出来るんだけどね。



「もう腹くくっていってらっしゃい」

「…耐えてくるよ、生きて戻ってくるからね!」

「はいはい、お待ちしております」



泣きつく私の頭を、ポンポンと撫でながら、歩夢は言った。

うう…私が男だったら絶対歩夢を彼女にするよ…。




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