「フフ、知りたい?」
「!!」
なんだ、何か悪寒が?!
…そうか、コイツも幸村と同じ気質だった。
「どうしたの?周ちゃん」
「いや…丸井が湊の僕に対する呼び方に疑問を抱いていたようだからね」
…完璧に俺の考え読み取ってるな、コイツ。
「丸井、褒めても何もでないよ」
いや、褒めてない!
全然褒めてないから!!
「あ、周ちゃんって呼び方気になるの?」
「あ、ああ…ちょっとな」
「えっとね、周ちゃんと私はお母さん同士が仲良くて…つまり幼馴染なの!」
「そういうことか」
「安心した?」
「なっ!何言ってんだっ不二!!」
「君はいじめがいがあるようだね、>裕太を見てるみたいだよ」
…一気にルドルフの方の不二が哀れに思えてきた。
「あ、ルドルフで思い出した!」
「どうしたの?」
「観月君達にタオルとボトル頼まれてたんだった!行って来るね!」
そう笑顔で言うと、湊は荷物を持って走って行った。
当然俺は不二と二人な訳で…。
「安心してよ、僕は湊に対して恋愛感情はないから」
「い、いきなり何言い出すんだよ!」
焦る俺を楽しんでいるかのように、ニコニコ笑う不二。
いや、楽しんでいるかのようにじゃない、コイツマジで楽しんでる。
「あ、一応言っとくけど氷帝の跡部と忍足もそういう感情ないみたいだね、妹のようにしか見れないって言ってたから」
「へ、へぇ…」
「それに、湊も僕等のこと、兄のような存在って思ってるみたいだしね」
「…湊が言ったのかよ、それ」
「あぁ、僕は言われたよ、「周ちゃんがお兄ちゃんだったらな」って…跡部は「景吾はお兄ちゃんみたいな存在だ」って言われたらしいけど」
…安心した自分が此処に居るのが妙に嫌だ。
ただ…不二が言うことがもの凄く納得出来たから何も言わなかった。
昨日の跡部の湊に対する態度、確かに妹とか娘に接する態度みたいな感じだった。
それなら幸村もそんな感じじゃねぇか?
少なくとも赤也と仁王だけは絶対に違うな、あいつ等は絶対気がある筈だ。
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