お風呂にも入ったところで、私はベッドに置いていた携帯を見た。

画面には着信一件の文字。 

誰だろうと思って見て見ると、そこには”不二周助”の文字。



第4話:電話と夢









何か珍しいなと思った。

周ちゃんから電話が来るなんて。

プッシュ音が鳴り、向こうで「もしもし」という声が聞こえた。



「あ、周ちゃん?久しぶりだね」

「久しぶり、元気そうだね」

「うん、そっちもね。皆元気?」

「あぁ、元気にしてるよ。もう元気すぎるってくらいにね」

「あはは、そっか」



周ちゃんから話を聞いて、私は笑顔になった。

それにしても久しぶりに聞くなー、周ちゃんの声。



「そういえば、そっちでも続けてるの?テニス」

「あ…ううん、続けてないよ」

「…そっか」



少しだけ、周ちゃんの声が暗くなる。



「ごめんね、周ちゃん」

「謝ることじゃないよ、それは湊決めることだし」

「あはは、周ちゃんらしいや」

「フフ、そうかな?」

「うん…そう思う」



さっきまでブン太のことで、いろいろ思い出して落ち込んでたけど…。

なんか周ちゃんの声を聞いたら安心したよ。



「有難う、周ちゃん」

「ん?僕何かしたかな?」

「うん、した」

「別に何かしたつもりはなかったんだけど…まぁいいか。それじゃ、また電話する」

「はーい、またね、周ちゃん」



プツッと音がして、私は携帯を閉じた。

そして、ポフッとベッドにダイブする。

静かに目を閉じると、そのまま眠りについた。













ん…?これは、夢?

目の前にはレギュラーの皆が立っていて、こっちを見て微笑んでいる。

駆け寄ろうとして走るけど、その距離は一項に縮まろうとしない。




「え…皆、待ってよ」



そう呼びかけても、皆はどんどん離れて行く。

そして、目の前が真っ白になり、皆が―…





消えた。











バッと体を起こす。

冷汗はかいてないけど、なんだか嫌な感じだ…。

何であんな夢見たんだろ…。

とりあえず、体を起こして、ベッドから降りた。

(不安なんて…消えちゃえばいいのにね)




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