「例えば明日世界が終わるとします」
「…は?」
本を読んでいた鬼道さんが口をポカンと開ける。
あ、馬鹿っぽい…じゃなくて、は?って何よは?って。
「だから、明日世界が終わるとしたら、何をしますか?」
「唐突だな」
「まあ今思いついて聞いてみたかっただけだから」
「答えるつもりはない」
ぷいっとまた視線を本に戻す。
鬼道さんのケチー!
答えてくれたっていいじゃんか!
「私が思うに、鬼道さんはきっとサッカーしてると思う」
「人のこと勝手に決め付けないでくれるか」
「じゃあ春奈ちゃんと一緒に居る」
「妥当だな」
「妥当すぎて面白みの欠片も無いです」
なんだかんだ言って会話してくれる彼は凄く優しいと思う。
うーんと唸りつつ考えていれば、少しだけ目配せする。
あっと声を出せば、鬼道さんが此方を向く。
それでも、思いついた内容が恥ずかしくてモジモジしていると、逆に鬼道さんに「何だ」と聞かれる。
「その…私のところに会いに来る…なんてどうでしょう」
自分で言っててやっぱり恥ずかしい。
きっと馬鹿にされるんだろうなんて考えていると、案の定溜め息。
嫌味を言われるのかと構えていると、降ってきた言葉は予想外。
「まあ、考慮しておいてやる」
そう言って綺麗に笑うものだから、思わず顔が真っ赤に染まった。
ああ、そんなの反則でしょう
(き、ききききき鬼道さん!)
(少しは落ちつけ)
そういや短編の鬼道さん書いたこと無いと思って書いてみました。
結局なんなんだろうこれ。