□綺羅星に願うと世界は変化する3











MCタイム。興奮しまくりのファンたちをなだめつつ、彼らはドリンクを補給しつつ、
話し始めた。


「皆さんお久しぶりです。あなたの赤司征十郎です、ふふ。なんて」


「赤ちんすっげー今日飛ばしてるとおもわねぇ?」


「そうだな、赤司どうしたのだよ?」


「皆に久しぶりに会えたからかな? 男性のファンも見かけてテンションあがった」


「男の観客はうれしいのだよ」


「久しぶりですもんね、赤司君が飛ばすのも分かりますよ。皆さんと会えて
とてもうれしいです。かなり興奮して、暑いからちょっと脱ぎそうです」


ひらと衣装をめくり、ぱたぱたと仰ぐしぐさをすると観客の黄色い声が
地響きのように響いた


「よし、テツヤが脱ぐなら僕も脱ごうか」


「きゃああああ!!!!」



「はいはーい、赤ちんと黒ちんの裸は高いからぁー。皆俺にまいう棒くれるなら
見せてあげるけどぉー」


空かさずあげるから見せてーと何人もの女性の声が響く。


紫の髪色をした長身の男が、のっそり二人にかぶさりながら、阻むと
「まいう棒! 安くね!?」青い髪のメンバーに突っ込まれていた。


「青峰、貴様俺にかぶるんじゃない!!」


「緑間、そろそろソロの準備があるんじゃね? さっさと用意しにはければ?」


「まだ時間はあるのだよ!!」


「皆さん、こんな二人でも仲良しなんですよ。昨日一緒の部屋のベッドでぐっすり寝てましたから」


「「一緒になんてねてねーよ(ないのだよ)!!」」


「きゃあああああ」


仲良い会話と観客への気遣い、そして、後半はメンバー皆それぞれのソロがある
からなどと、会話を展開していく。


会話も楽しいし、こっちが飽きないテンポで、しかもメンバー全員が
会話をきちんとするようにしている。自分の好きなメンバーの声沢山聞きたいもんね。
皆、プロ意識高いんだろうな。




会話は弾み、少々オーバーしたMCタイム。メンバーがはけ終わると、
次は、バックダンサーの子たち2組がオリジナル曲を歌い始めた。








ソロは緑間と呼ばれたメンバーから。

ダンスナンバーで、激しく踊り、サビでバク転をする。


紫の髪、紫原は、うちわを使い、お菓子とオンナノコをテーマにした
歌を歌っていた。長身の男なのに可愛く感じてしまう。


拍手の際、「フェアリーむっくーん」と叫ばれていた。



黒子はイリュージョンをメインにしたエンターテイメント性のある演出で
ライティングされた水のカーテンの中で美しく華麗に踊り、水浸しになりつつも優しい歌声を披露する。



次は誰だろう。わくわくとどきどきがとまらない。


「次は赤司征十郎」
緑間のアナウンスが入った。



赤司様の番になったら、隣に居る従兄弟のテンションがますますおかしくなった。
大きなスクリーン画面に、ペンライトを消すようにとの案内が出る。


興奮して気がついていないファン以外はきちんとその案内に従いペンライトを消していく。


多少暗い会場に、和三味線の音が響く。
ちりん、ちりん、風鈴のような音。


スポットライトの先、


妖艶な真っ赤ないでたちの着崩れた着物、番傘を持ち、メインステージへ練り歩きながら
赤司様が出てきた。


ゆっくりと歩く、その足は裸足。


歌う声はエロティックであり、擦れている。


ゆっくり、ゆっくり、歌に合わせ、メインステージへ近づいていく。


メインステージには、美しい装飾のされた化粧箱に和鏡。





狂おしい程慕っていても、私を捨てていくのか。

振り返りもしないあなたを思って何度枕をぬらしたか。

捨てた男への未練、憎しみよりもいとおしく、だからあきらめられない
その恋心、恋慕。


赤司様は、静かな動作で化粧箱の前に座る。化粧箱をあけ、手鏡をもち。


口に赤い紅をゆっくり小指で引き、伏せた眼を上げ、歌う。


ねぇ。旦那……。お慕いしております――。

最後に小さく囁く声は、ぎりぎり会場に聞こえる声量で


その声が聞こえた直後今までに聞いたことのない歓声が包んだ。







つづく


20130731

次は青峰さんのソロから。



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