□綺羅星に願うと世界は変化する2













メンバーの名前を呼ぶファンの声や、歓声は大きく俺はあっけにとられる。



天上から登場した五人は、煌びやかな衣装を身に纏い、歌を歌いつつ、


天上から下降していく。


歌声と歓声は振動し、会場は揺れだした。


わらわらと出てくる彼らよりも年下のダンサーたちが、旗をもち、ダンスをし
外周を埋めていく。

こんな小さい子たちもステージに立って、ショーの演出の一部になるんだ。



バックステージの外周にいる俺たちとメインステージにいる彼らの
距離は遠く、肉眼でみえるものの、しっかりと認識できるレベルではない。


従兄弟は双眼鏡を持ち出し、必死に赤司様を追っている。


赤司様が右に移動すれば、右に、左に移動すれば左に双眼鏡の方向を変え
がん見している。

なんという集中力。


従兄弟の集中力に俺は脱帽した。



盛り上がる一曲目が終わり、二曲目、彼らが走って、バックステージへ移動してきた。


それに合わせて歓声もウェーブして、目の前をメンバーが通る時は、周りの女子の
甲高い声が強くなり、俺も興奮した。


赤司様がちらりとこちらを見た気がした。え、ええ。



猛スピードで走る彼の風がさあっと自分に伝わってきて、



うわあ、どうしようとドキドキし始める。



「やばい! 涼太! 絶対こっち見たって!! どうしよーカッコいい! 赤司様ぁぁぁ!!」



従兄弟のテンションは急上昇。


俺も初めて近くでみる芸能人と従兄弟と会場の空気に染まって、歓声を上げてしまった。


やばい。コンサートって、楽しいかも!!



女の子がキャーキャーいう理由が分かってきた。



ディズニーのアトラクションみたいなワクワク感。次は何が起こるんだろうと
楽しみになる。




その瞬間。



目の前を通った青い髪のメンバーに俺は目を奪われた。




全力疾走で走り抜ける彼は、バックダンサーが外周に居ても気にせず華麗に
スピードを出して駆け抜けていく。



障害物なんてない。


まるでサバンナのチーターの様に美しく、しなやかで、魅了される。


煌びやかな衣装がライトに反射して、俺は目を細めた。



なんだろ、あの人……。



凄く、ドキッとする。



俺の心臓、どうしたんだろ。


このアトラクションみたいな、楽しい世界に酔ったのかな。



心拍数がどんどん、どんどん早くなっていく。



投げチューして!


その要望の書かれたうちわを見て、くしゃりと笑って。


照れくさそうに拳を作って、その拳にキスして、ぐっとその子に向かって
グーの手を捧げ。


もう勘弁してとまたくしゃりと笑い、手を振って、次に見つけたファンに
手を振る。


ファンサービスをされた女の子は泣きながら、横にいる連れあいと喜び合い、
飛び跳ねていた。



やばい、やばい。


すっげーかっこいい。ちょっとだけ、かわいい。



俺はいつの間にか、彼ばかりを目で追っていた。






つづく



20130506


書きながら、コンサートいきてぇぇぇぇぇぇーってなりました。

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