□ヒメゴト

















触れると柔らかなそれは、重量に逆らう事ない状態だった。


青峰を自室のベッドに座らせ、その股の間に全裸になり座り込む。ジーンズの前を寛がす。



青峰の性器を黄瀬は、そっと下着から取り出した。


まだ硬度も質量もなく、ただ柔らかい。



勃起する前の物をうっとり見つめて、神聖なる儀式の始まりといわんばかりに、尖端にちゅっと口づけを行う。



パクリ。


口に含む。温かな口腔に迎え入れると、舌を尖らせ、刺激を与え出した。



口に入りきれない部分は指を這わせ、茂みを一緒に掴まぬように、上下に摩る。




少しずつ硬さの出て、意志を持って立ち上がりつつあるそこは、血管が浮き上がり、雄々しい形に変化していく。



青峰の息を呑む気配がし、黄瀬は緩く微笑む。



もっと。もっと感じて欲しい。
余裕がなくなるほど。そして、押し倒して、自分に入れて白濁と共に激しく抜き差しをして、快楽を自分にも与えて欲しい。

それが欲しくて奉仕しているわけではないが、青峰を中に迎え、共に達することほど、キモチイイことはこの世には存在しないのである。



括れたポイントを重点的に、尖らせた舌先を強めに往復させる。


プクリと我慢した液体が分泌され、黄瀬は溢れそうな唾液と共にそれを飲んだ。


自分の性器も形を変え、天高く張り詰め、角度を増し、ダラダラと蜜を垂らしている。後ろは早く青峰のものが欲しいと主張し、疼きが止まらなくなっている。



先程よりも激しく、舌を使い、青峰の感じる場所を責めあげれば、硬度と質量は最高潮に達したのが分かる。



口を離し、それを見つめる。


なんの支えもなく立ち上がる中心は10代の若さで今にも臍につきそうだった。


「ね、青峰っち。一回楽にしてからがいい?」


「んだな。つーかお前涎でべたべた」


涎が口の端について滴り落ちそうになっている。


青峰は節くれだった指でそれを拭い、自分の口元にもっていくと嘗めた。



「苦げぇ」



「ふふ、青峰っちの味っスよ」


立ち上がるそれをじぃっと見つめて、フーッと息を吹き掛けると、ピクと反応する。黄瀬はまた笑顔になった。


下から裏筋をツーと嘗めて、また口にすっぽりおさめ、歯を立てることなく、口を上下に激しく動かした。


卑猥なる水音。


小さな唇の端から滴り落ちる涎と青峰のカウパー。


強く尖端に舌を捩込むと、青峰は白濁を数回に分け、勢いよく黄瀬の咥内に解き放った。



喉にたたき付けられた粘着性のある液体を全て飲み込めず、黄瀬は咳込んだ。



「んぐーッ!! っゲホっ!!」


涎と精液が口の端からこぼれ、黄瀬は咳を繰り返す。


珍しく綺麗に飲み込めず、更に気管に入ってしまい、黄瀬は裸のままゲホゲホと苦しく咳をする。


青峰は、股の間に座らせていた黄瀬の腕を引き、全裸の黄瀬を己の膝に載せ、背中をさすってやる。



「ん。ゥんー」


「落ち着いたか?」


「ん」



ことり、小さな頭が青峰の肩にもたれかかり擦り寄ってくる。



青峰は黄瀬の形のよい頭を撫で、耳朶のピアスを緩くさわった。顔を上げた黄瀬の汚れた唇を嘗め、綺麗にする。



尻にあたるジーンズの固い質感に黄瀬はブルリと震えた。


上半身裸の青峰と、全裸の黄瀬。羞恥なんてもうない。明るい場所で全部見られているし痴態も晒している。


黄瀬は立ち上がったままの前を青峰に数回擦りつけた。



先程から張り詰めてイキタクて仕方がなかったのだ。



青峰はその様をみて、手淫しようとそれに手を触れて握った。その瞬間、ピュク、ピュクと白濁が放出され、青峰の腹や胸元についた。



「んぁっ!」



「気持ちよかったか?」



「ん――」



「ね、青峰っち。もっと、もっと――今日はいっぱい、いっぱいしたい」



「はっ、んな煽ってお前大丈夫か。じゃあ、お前のミルクタンクがなくなるまでやるぞ。今日は寝かせないからな」



「うんー。ね、青峰っち」



「んだよ」




「――好きっスよ」



「――分かってるよ」








あなたしかいらない



自分の全てであなたをつなぎ止めてみせる




だからどんな時も絶望や孤独を感じずにいて




浅はかな自分は今はそれしか出来ないの



なんて、目の前のあなたにはいえない





黄瀬涼太の、秘め事







END





20130222


遅くなりましたがアンケートで沢山票を頂きました桐皇青黄でした。ただの、ど、え、ろ、に隠されたちょっとせつない黄瀬涼太さんの気持ち。なんちゃって。


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