□花園〜緑の部屋の主














可愛い可愛い僕たちのお姫様。



逃げ出しても、簡単に鬼に捕まってしまうなんて。



かくれんぼも不得手なんだね。





全く、なんて可愛らしいんだ。





そんなところも愛おしくて、堪らない。








僕たちはまた君に、夢中になって。








激しい愛を




注ぐしかなくなるんだよ。












少年は気を失ったまま、意識を取り戻さない。




ぐったりとその身を抱き上げられた男に預けている。




男は満足そうに笑い、少年を抱えなおすと額に唇を落とす。




古城は広く、また自室の扉は重厚でキセキ以外の存在は入れない。



むせ返る薔薇の香りは、庭園と同じ香り。それもそのはず、庭園で育ち時期になって手折った薔薇がそこら中に飾られているからである。




庭園と同じ香りの中に少年――黄瀬涼太を閉じ込めて、男――緑間真太郎は悦に浸る。




閉じられたままの瞳に自分が写ることがないが、風呂に入れて、その後可愛がっていれば、目を覚ますだろう。



「涼太、青峰が外で抱いたから土で体が汚れただろう? 風呂に入るのだよ」






甘い美声は、涼太に愛を囁く際特に甘さが際立ち、他のキセキ四人が聞くと別人かと疑うほど声音が違う。




自室にある広いバスルームは、湯の準備ができている。




眼鏡を外し、衣服を躊躇いなく脱ぎ捨て、全裸の涼太をまた抱き上げる。



視力の悪い緑間はキスをできる距離でしか認識できないので、涼太の体を少しずつ綺麗にしていく。


青峰が入って残滓が残る場所も丁寧に掻き出していく。



五人で毎日抱いている体は、いつも誰かの放った白濁が残っている。
窄まった場所に顔を近づけてみると、使いすぎて赤く腫れてしまって、これ以上抱けば傷を負ってしまうかもしれない状態になっていた。

黒子に作った秘薬を塗れば、15分もしないうちに、患部の腫れは引くので騒ぐこともない。


金糸の絡みやすい髪を洗って、体も洗いながら、自分の体も洗っていく。



二人で泡まみれになり、涼太の顔が湯で窒息しないようにシャワーを当てて、泡を流す。



浴槽に浸かって緑間は涼太の髪を掻き揚げる。


紫原は一回の性交渉が長く、青峰は涼太の体力を限界まで削ぐ抱き方をする。


自分は、泣いて懇願して、涼太がイキタイというまで優しく愛するのを好む。



寝不足もあるのか、まだ意識が戻らない。




かくれんぼなんて、可愛いことをするから、また疲労がたまってしまうのだ。



紫原の部屋でゆっくり眠り続ければよかったものを。



まだ昼を過ぎた位だが、涼太は食事を一日一食食べればいい方だ。




キセキ全員の体液は、生命力の塊であり、それを時に一日で五人目全てを受け止めたり、
毎日大量に注がれているので、涼太に食事は必要ない。



黒子が「それでは可哀想ですから」、と食事を毎日作り食べさせる。


日によって赤司が食べさせたり、紫原が食べさせたり、色々が、その際も結局性交渉に発展することが多いので涼太はまともに食事をとることがままならなかった。



今日は紫原と青峰のモノを大量に吸収している。


そして、これから自分のモノも吸収させる。




眼を覚ましたところで食事はとらなくていいだろう。が、黒子がなにか言ってくるかもしれない。




風呂場に大量に用意しておいた、薔薇を浴槽に散らし、ぼんやりと見える金色と深紅のコントラストを楽しみ、緑間は浴槽から出た。




自分と涼太の水気をふき取り、風呂場から寝室へ向かう。



ベッドに涼太を寝かせ、緑間は薔薇酒を持ってくる。



薔薇園で咲いた薔薇と魔力を使い酒にする。



喉を潤し、依然眠ったままの愛しい涼太を見つめる。



サイドテーブルにある、黒子の秘薬を取り出し、涼太の足を開き、赤みを持った恥部へと塗りたくる。



指の届く範囲にまんべんなく丁寧、時間をかけてたっぷりつけると、早速薬は仕事をしだす。




涼太を抱くために、指を爪を整え、オイルを塗る。深窓の令嬢、麗しの姫君。そんな美しいたとえが出来る涼太の体に傷を作るわけにもいかない。





(そうだったのだよ。涼太の指に傷が出来てしまった)





先ほど野ばらで傷を作っていた場所にも黒子の秘薬を優しく塗る。



塗った途端その傷はなくなった。




満足だというばかりに、緑間は笑みを深くし、また薔薇酒を口に含んだ。



「ん……ぁ」



小さく身じろぎ、涼太は潤んだ琥珀の瞳を開けた。



緑間は、刷り込みの鳥のように、視界に入るのは自分でありたいと、ベッドに乗り上げ、涼太の唇を塞いだ。




「ァ……」



「おはよう、涼太。かくれんぼで疲れてしまったのだろう? 紫原の部屋で眠っていればよかったのだよ。ん?」



ご機嫌取りのように顔中に唇を落としていく。



声音は睦言を囁く甘さで、眉間の皺はなく、涼太に向かって笑顔を浮かべている。




「今日も……俺のこと、抱くの……?」




「当然なのだよ」




「もうシタくないっ、お願い、お願い。緑間っち」




首を横に振り懇願してくる涼太は、可愛く、緑間は背筋にずくりと衝動が走った。



お願いと懸命に請う涼太を抱き起こし、胡坐をかいた己と抱き合うように座らせる。



涙を流し続けた目元は赤く染まり、ひりひりとしているようだった。




薬を目元にも縫ってやる。秘部の傷も治ったはずだ。



頭を掴み、激しく、唇を合わせた。



「その願いは叶えてやれないのだよ、涼太。あきらめろ。――あいつら同様、俺は、お前が欲しい」



「ひぅっ!!」




鎖骨のくぼみを舐め、そして首筋を強く吸う。真っ白な肌に、大輪の花が咲く。



眺めの襟足をかきあげ、またそこにも刻印していく。

その作業を続けつつも、新たな刺激を緑間は涼太に与える。




優しく肌に指を這わせ、目的の二つの胸の飾りに到達するが、通過させ、また肌をたどり撫でる。



ソフトタッチを何度も何度も繰り返し、胸の周りを刺激していけば、どんどん芯を持ってぷくりと飾りが出てくる。



くち、ぺろり。今度は固くなってきた二つの果実を緑間は口に含み、片方を手でこねくり回した。




涼太の息は熱くなり、快感に身をよじり始め、緑間は満足げに口元を緩め、かぷりと果実を味わった。



片腕を持ち上げ、性感帯となっている脇を舐める。


「や!!」



子猫を思わせる抵抗をさせ、余りの可愛らしさに緑間は、優しく抱くことを忘れてしまいそうになる。


涼太を抱くと色々な感情が出てきて、緑間はそのたびに自分もまだまだだと自覚する。




縋るほど優しくして、俺たちに抱かれる悦びに浸ってしまえ。




緑間は涼太に更なる情事の悦びを植えつけるべく、胸を反り、逃げようとする涼太を胡坐から押し倒し、両膝を持ち上げると、自分の角度をもったそれを涼太に突き刺した。




固さを持った太い性器は、先ほど掻き出したときにほぐしたためか、毎日抱かれすぎた賜物なのか、躊躇いもなく咥えられてしまう。




「アッ、あんっ。うっ、ふあ……」




「もっと、もっと、感じるのだよ。お前はずっと気持ちよさの中で過ごせばいいんだ」



舌で快楽を植えつけると涼太はもう緑間の言う言葉を聞いている余裕がないほど嬌声が大きくなってきた。



揺さ振り、中へ中へぎりぎりまで入れこむと、涼太の感じる場所にかすってしまい、涼太の声は高くなる。



涼太が果てるまで、揺さ振り付き刺すことをやめない緑間の頬を伝って汗が落ちて涼太にかかる。



「一緒にイクのだよ、涼太」




乳白色の体液を涼太の中に放出すれば、涼太は身を震わせ、腹を己の白濁で汚し、また涙した。




「気持ちいいだろう? 涼太、お前は俺たちから逃げられない。最善の方法は、この快楽に身を任せること。それが涼太にとって一番幸せなことなのだよ」



うんともすんとも言わなくなった涼太はまた、意識を失った。



緑間は蠢き自分を心地よく包む内壁をまた優しく突き上げ、柔らかくなった自分をまた固くしていく。



「黒子、御前がつくった薬は最高傑作なのだよ」




「緑間君、よく僕が入ってきたのわかりましたね」




「よく言う。ずっと見ていた癖に」




「ええ。涼太君が抱かれるのを客観的に見るの、楽しいので」





「ふん、まあいいのだよ」




「涼太君が起きたら、ご飯を食べさせますので、お風呂に入れてあげてから僕の部屋に彼を運んでくれませんか?」





「お前が今連れて行けばいいだろう?」




「いえ、まだ緑間君、涼太君としたりないでしょう? 僕はご飯の用意をしていますので。あ、流石に日が暮れる前にはちゃんと、くださいよ?」




「分かった」



「では僕はこれで」




パタンと緑間の自室の扉は閉められた。




涼太の中で硬度を取り戻したもので、何度も何度も意識のない涼太を犯していく。




その刺激で早く涼太が意識を取り戻すように、どんどん揺さ振りを激しくした。










END





20121211






緑間っち編。緑黄メインって実は初めて書きました。
エロスでごめんなさい。


次は黒子っち編予定。
花園シリーズと名づけます。







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