□雌猫
桐皇学園、バスケ部の合宿中。
チームメイトは真面目に練習を行っているが、お互いの存在に夢中な黄瀬と青峰には関係なかった。
休憩室でサボタージュしている二人――黄瀬と青峰は抱き合い、激しく唾液を交換していた。
黄瀬は右手を青峰の首に、左手を背中に回して青峰を誘った、その時だった。
突然、バタンと背後からドアの開閉の音がした。
ちらりと見ると今吉が突っ立って、眼鏡の奥の細い目を見開いていた。
「発情期の雌猫みたいやな」
所構わずサカっていたら、今吉から、呆れ顔で言われた。
「別に見られてもいいっスけど、見る趣味あんの? 今吉さん?」
青峰の唇から滴る唾液を見せ付けるように舌をだして舐めると、今吉は無言で部屋を出て行った。
青峰がベンチに座ってにやにやしながら黄瀬を見てきた。
「ふっ。黄瀬、今吉さんが見ていくっつったら、見られながらヤるつもりだったのかよ?」
「そんな面倒な事しないでしょ、あの人は。ね、それより集中して欲しいっス。ちゃんと俺を見て?」
青峰の足の間にひざまづく。
ベルトを緩め、下着に収まっている、まだ反応していないそれを取り出し、口に咥えた。
休憩室と言う名の着替え室は、外と違い、空調も効いていた。
手と舌を使い、何度も何度も刺激を与えると角度も硬度も増していく。
自分の手と舌で成長していくのが嬉しくて、必死に舐めあげる。
男のそれを這いつくばり舐めるなんて、青峰以外には死んでもしたくないし、されたくない。
ぴちゃぴちゃとはしたない音が出る。
黄瀬は自分の中心と、いつも青峰をくわえている後ろが熱くなっていくのを自覚し、目を細めた。
同じ男だし、何度も口にくわえていたら青峰のキモチイイ場所は手をとるように分かっていて。
青峰に温かな粘膜に包まれる快楽を必死で与える。
青峰は眉間にシワを寄せて、黄瀬の頭を撫でてくれる。
さっきは今吉を挑発するような事を言ったが、浅黒い肌が汗ばんで色気が増す青峰を誰にも見せたくない。
奉仕して青峰に快感を与えることは、何事にも変えがたい感情を産み、黄瀬を喜ばせた。
もっと、もっと感じて欲しいと、微妙な加減で子種の詰まる袋を触る。
青峰の熱い視線。青峰の感じている様子を下から見上げて、またレロリと竿を舐めた。
「っー!!」
触っていた袋がピクピクとちいさく痙攣した。射精するという限界のサイン。
青峰自身を口に含み舌を使う。
勢いよく出た粘ついた精をむせることなく喉で嚥下し、ち゛ゅると残りを吸いつくす。
青峰の白濁は毎日のように日を空けず黄瀬によって排出される為、今日も薄かった。
濃淡の味を覚えてしまうほど、黄瀬は青峰に夢中だった。
柔らかくなったものに、ちゅっとキスをして、臍の下を甘噛みして青峰の下腹部から顔を見る。
手をひっぱられ、青峰の膝にのせられた黄瀬は熱っぽい吐息と共に小さく耳元で青峰に告げた。
『足りないからもっと食べたいんスけどーー』
雌猫でも何とでも呼べばいい。
青峰を好きな事実は変えられないのだから――。
End
(桐皇黄瀬の話。好きな相手を目の前にしたら、なりふり構ってられません。)