□書籍代の為、彼は犠牲になりました。
この学校で、あの5人に逆らえる人間はいないという噂は最早崩れ去った。
帝光高等部。
財閥系の人間が、5人。
赤司を筆頭に、青峰、緑間、紫原、火神。
黄瀬と黒子は、奨学金で入学してきた一般的な庶民だったのだが、黒子は火神に、そして黄瀬は青峰に迫られる生活を送っていた。
火神は常識人であり、すぐ黒子と恋人になったのだが。
青峰の俺様、且つストーカー気質で変態という、人知を超えた性格が災いして、今日も今日とて、黄瀬は青峰から逃げ回っていた。
「黒子っちぃぃぃぃー!」
「あ、黄瀬君。君に謝らなければなりません」
「謝罪はいいっスよ! 何で! 何で青峰に俺のケー番とアドレス教えたっスかー?! 酷いっス!」
「すみません。今月の書籍代が底をついてしまって困っていたら、青峰君がこれと暗証番号をくれたので、御礼に教えました」
「ウッハ! ブラックカード!」
「あの変態……あ、間違えました、青峰君は本気です。さすがに観念したらどうですか?」
「絶対ヤダ! あんなザリ峰となんて付き合えないっス!」
ざわ…ざわ…
黄瀬は背後からの何者かが迫ってきたのを、反射神経で交わす。
振り返ると、スマートフォンを持った青峰が片手をわきわきさせ、黄瀬に近づいてきていた。
「黄瀬ェ。呼んだか? 聞こえたぜお前の俺を呼ぶ声……。これからはGPSで追跡できる。お前の居場所がいつもすぐに分かるから安心しろ」
「あー! 無理無理ー! キモイッ!」
「ふっ。黄瀬はまるで蝉のように儚げでザリガニのように愛おしい……。この手で捕まえて、ずっと愛でていたい…」
「ギャー!」
「青峰君。バスケットも出来て時期財閥総帥なのに残念ですよね……」
「全くなのだよ。黄瀬もかわいそうに。黄瀬が入学してくるまではバスケ一本の純粋な奴だったのに」
遠くから黄瀬の断末魔を聞いた、火神たちであった。
(恋人が無害な人で良かったです)
End
下らないパロ話。
本当は花だんパロで、ツンデレ俺様青と雑草のように逞しい黄ちゃんの話を書きたかった(笑)