「陛下?少し顔色が悪いようですけど大丈夫ですか?」

「……ん?あ、ああ…悪阻が酷くてな……」

「へ……?……ええええええええ!?悪阻?妊娠!?え、陛下って女性なんですか!?」

「む…よく解らんが魔族との混血のせいでどうも両性具有の要素があるらしいな」

「どうして言ってくれないんですか!言ってくれたらもう少し配慮したのに!確実に陛下と僕の子ですよね!」

「あ、ああ……」

「きっと陛下に似て美しい子なんだろうなあ……!」

「あ、ああ……」

「あっ!陛下、大事な体なんですからそんな薄着じゃダメですよ!僕の上着をお貸ししますからこれを着て……腹巻きもしてください、お腹が冷えないように!」

「あ、アルケイン……?」

「そうしたら葡萄ジュースの生産を増やして生まれてくる子にあげたいですね!ゆくゆくは一緒にワインのテイスティングなんかしちゃったりして!」

「アルケイン……、」

「着るものも準備しないといけないですよね……あっ!安定期まで僕が戦場の指揮をするんで陛下はゆっくり安静に、お願いしますね」

「アルケイン!」

「はい?」

「ふはは!バーカバーカ引っ掛かったな!エイプリルフールだ!」

「え、今日は4月2日ですよ?」

「なん……だと……?」



(じゃあ妊娠は嘘だったんですか……?)
(まあ……そういうことになるな……)
(もう!)



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