「ネフィリム様、寒くなってきましたね」

「そうだな」

「そろそろ冬支度の準備ですね」

「そうだな」

「僕、冬用の服に変えたんです。わかります?」

「回るな気持ち悪い」

「……」

「……」

「……」

「……全然わからない」

「そう、ですか……」

「どこか変わったのか?」

「生地が厚くなりました」

「わかるか!」

「うわっ!ワインは割らないでください!」

「チッ……外したか」

「ネフィリム様、寒くて指先が悴んでるんじゃないんですか?」

「そのしたり顔が苛々する……別に寒くないぞ?伊達に100年もコキュートスで寝ていたわけじゃないからな!」

「僕はそのドヤ顔が嫌です……」

「何か言ったか?」

「いえ別に。ホントに寒くないんですか?」

「今くらいの気温は平気だ」

「ああ、子どもは風の子、」

「何か言ったか?」

「ネフィリム様くらい強く賢く美しいから寒さも畏れ多くて近寄れないんですかね、と言いました」

「ならば許す」

「ほっ……」

「でもそろそろ冬支度を始めないとな……」

「超薄着ですもんね」

「だよなあ……」

「去年の毛皮でいいんじゃないですか?」

「嫌だ」

「嫌だ、って……」

「今年は流行らない」

「……」



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