「ネフィリム様、明日は出撃お休みさせてください」

「……は?」

「ちょっと別件で戦争があるんで……」

「戦争?ここ以外に戦場はないはずだが」

「いや、戦争っていうのは例えで……うーん……とりあえず明日は朝から居ないので、僕」

「決定事項なのか」

「はい」

「……」

「……」

「朝から何処に行くんだ?」

「法王庁に」

「……へ?」

「いやだから法王庁に」

「朝から法王庁に行くのか……」

「はい」

「何をしに?」

「戦争をしに」

「つまり?」

「コミケに行ってきます」

「ふざけるな、またあの薄っぺらいくせに高価な本を買ってくるんだろう!これ以上無駄遣いするな!」

「今回はお金を増やして帰ってきますよ、大丈夫です」

「は?」

「スペース取れたので」

「アルケイン、貴様まさか……」

「新刊、できました。」

「なん……だと……?」




****




『法王庁なう』

『@Arcane え、何処辺りだ』

『@Felt 丁度門の前に着いたところです』

『@Arcane 早いな……』

『@Felt まあ、久しぶりに新刊出すので』

『@Arcane 売れるといいな』

『@Felt え、はい。……フェルトさんも来るんですか?』

『@Arcane アキネフィの新刊が出るから』

『RT @Felt:@Arcane アキネフィの新刊が出るから』

『@Arcane 今日帰ったら覚えてろ』

『少し寒気がするので離脱します』




****




「ただいま戻りましたー」

「どうだった?」

「ライブラさんがアキレオ売っててびっくりしました」

「……。」

「ね、びっくりでしょう」

「買ったお前にもびっくりするな……」

「まあ、それは置いといて、」

「……。」

「今から夜襲掛けてきますね!」

「なんでそんなに機嫌がいいんだ……?まさか貴様また性懲りもなく薄っぺらい本を買ったんじゃないだろうな!」

「買いましたけど……」

「けどじゃない!ワインや本にお金をかけてどうするんだ、フェルトを見習え!資金を与えても殆どを魔導の研究に費やしているんだぞ!それに比べて貴様は……全く身にならないものばかり買いおって……ブツブツ」

「ネフィリム様、お母さんみたいです」

「余は貴様の母親になった覚えはない!」

「どちらかというと恋人ですね」

「だ、黙れ!図に乗るな!」

ズバッ!
コロコロコロ……

「(別にいいじゃないですか、アルネフィ……)」

「と、とにかく金輪際変な物は買ってくるな!いいな!」

「えー……アルネフィもダメですか……?」

「ダメだ!」

「えー……」

「何だ、本物じゃ不満か……?」

「いいえ!(何これ可愛い……!)」

「だったら明日のコミケには行かなくていいな、明日は余のために出撃するのだ!」

「いやそれとこれは、」

「わかったな?」

「……はい」



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