「陛下ー、うわ」

「……アルケインか…何だー?」

「何だー?って…陛下こそ何なんですか…」

「暑くてたまらんのだ……タタミっていいな、ベッドほど熱が溜まらないから涼しく感じる」

「だからって大の字にならなくても……」

「誰も見てないし良いではないか」

「僕がいるんですけど」

「……貴様は別に構わん」

「何故ですか?」

「……まあ…長い付き合いだし、気の置けない仲だし……アルケインだけなら別に構わん」

「え、なんか嬉しい」

「自惚れるなよ、そんな暇があったらさっさと大陸の気温を下げてこい」

「制覇より難しいですね…それならフェルトさんに頼んで雨でも降らせたらどうですか?」

「雨はじめじめするから却下」

「えー……」

「そうだ、何か冷たいモノでも持ってこい」

「冷たいモノ……うーん……あ、葡萄ジュースが冷えてるかな、ちょっと持ってきますね」

「よし10秒で」

「無理です!」

「ああ…行ってしまった……。」

「暑いな……。」

「……だるいな」

「暇、だな……。」ゴロゴロ

「まだかな……。」ゴロゴロ

「…………。」ゴロゴロ

「……遅い」

「ただいま戻りましたー!いやあ暑いですねえ……あれ、陛下…移動しました?」

「気のせいだ」

「……そうですか…」

「で、葡萄ジュース!葡萄ジュース!」

「今お注ぎしますよ、待ってください」

「む、アルケインが持ってるのと匂いが違う気が…」

「ああ、これはワインで陛下のは葡萄ジュースですから」

「ワイン…美味しそうだな」

「だ、ダメです!葡萄ジュースの方が冷たくて美味しいですよ!」

「む、そうか……」

「ほっ…………」




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