トキオ兄さんの悩み相談室4(ユウナオ編)
◆ナオユキサイド
「ユウトに好きだって言ったんです」
「そしたら?」
「ユウトも俺の事好きだって……」
「それはおめでとう。両想いでよかったじゃん。……で、なんでそんな浮かない顔しているわけかな〜」
「だって……」
「だって?」
「…にもかかわらず、何もなくて」
「キスも?」
「あ、キスはしました」
「ハグは?」
「しました」
「してるじゃん〜」
「じゃなくて……」
「エッチは…」
「………」
「……まだなわけ」
「えーっと……はい」
「なんか含みあるけど(笑) で、…ナオユキはどうしたいの?」
「それが……。自分でもどうしたいのか。……抱いてもいいし、抱かれてもいいし、どっちでもよくて。…だったらユウトのしたいほうに任せようと思うんだけど……。それが分からなくて」
「キスはどっちからするの?」
「えっと……、どっちからともなく……自然にお互いに……。抱きしめあってキスするみたいな感じで。それだけでも十分幸せなんですけど……」
「ごちそう様〜」
「いや……だから……」
「もう、いっその事押し倒してみたら。その後のユウトの行動いかんによって決めたら」
「あ〜。それもしたんですが…」
「なんだ。じゃあ分かるだろ?」
「いや……。なんというか、お互い抱き合ってるだけでイクというか。か……か、兜合わせみたいな感じで……」
「いやはや、ごちそう様〜」
「だから…トキオさんっ。俺、一応真剣に悩んでいるんですけど」
「うーん。それだけで十分幸せなら、無理にする事ないと思うけど。……ユウトも同じこと思ってるのかもね」
「そ、そうかな」
「お互いどっちでもよくて。でも相手に痛い思いさせるのは忍びなくて。かといってするの強要して出来るものかと心配したり……してるんだと思うよ」
「俺、痛くても全然大丈夫だし、ユウト相手なら絶対萎えないけどなあ」
「はいはい、ごちそう様。もうおなかいっぱい。…だったらユウトにそう言ってやりなよ」
「あ、……はい。そうですよね、すみません。……つか、すげー恥ずかしいこと口にしてますよね……(かぁぁぁっ)」
「いんや、気にしなくていいよ。初々しくて聞いてて楽しいから」
「いえ、ほんとに。……ありがとうございましたっ」
「いえいえどういたしまして」
◆ユウトサイド
「なんか、ナオユキが浮かない顔してたよ」
「え、そうなんですか?」
「なんか、不安そうだったし。うん。ここは俺が優しく慰めてやろうかな〜なんてね」
「トキオさん! ……ナオユキに手を出したら……ただじゃ置かないって言ってるでしょう」
「おお、こわいなぁ。……だったら、もっとちゃんと掴まえておけって」
「そんな…。ちゃんと掴まえてます。気持ちだって通じている。……お互い、愛し合ってますよ」
「でも、エッチはまだなんだ?」
「なっ……。そんなことないですよ。……確かに最後までした事ないけど。……俺、今の状態でも十分だなあって思ってるけど……。ナオユキはそう思ってないのかなぁ……」
「うーん。どうなんだろうねぇ……」
「……というか、あれは最後までしなきゃならないものなんですか? なんか苦痛を感じてまでする必要ないと思ってしまうんですけど」
「……って俺に聞かれても」
「す、すみません」
「そのへんも、ちゃんと確認したら?」
「はい……そうですね」
「あと。することによる苦痛でお悩みなら、それを和らげるテクはどんどん伝授しちゃいますけど。…実地で」
「結構です!」
「あ、そう。教えてもらうのは決して悪い事ではないと思うけど。……二人で開発していくのもいいかもね」
「か、開発って……。でも……そう…したいです」
「頑張れ」
「はい…。トキオさん、ありがとうございました」
「いえいえどういたしまして」
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