ある日の休日
◆ACT1.カゲタマ
ひさしぶりのオフ。
のんびりとDVDでも見ながら過ごそうかということになった。
ソファーでどの映画を見ようか二人で物色していたら、キッチンから先ほどセットしていたコーヒーのいい匂いがしてきた。
「カゲミツ。ブラックとオ・レとどっちがいい?」
タマキがコーヒーを入れに立とうとしながら、カゲミツに問う。
すると、カゲミツがみるみる顔を赤らめて言った。
「タ、タマキ」
「……え?」
一瞬何を言われたのか解らないタマキだったが、先ほどの問いを反芻してはたと思い当たる。
「カフェ・オ・レの事に決まってるだろ!」
真っ赤になって言い返すと、カゲミツも照れながらタマキの腕を取った。
「うん……。でもやっぱタマキがいい」
そのまま引き寄せてキスをする。
「…馬鹿」
そう言いながら、タマキも応えるように目を閉じた。
◆ACT2.カナタマ
目玉焼きを食べながら、なにげに聞いた質問。
「カナエは黄身と白身どっちが好き?」
「黄身が好きだよ」
カナエはタマキを見つめ、ふんわり微笑みながら言った。
「え、あ……。そうか……」
真っ赤になりながら俯くタマキ。
「うん。ホントに……。そんな君が好きだよ…」
「………うん。俺も」
そういいながら、黄身を一口ほりこんだ。
◆ACT3.トキタマ
なぜか、タマキたちの部屋に朝から訪れたキヨタカ。
「ほう…。今朝は和食か」
テーブルには、ご飯とお味噌汁、ホッケの一夜干し、納豆、のり、漬物などが並べてある。
「隊長…、何の用が…?」
困惑ぎみのタマキがキヨタカに席を勧める。
「いや、仲良く暮らしてるかなと気になってな」
「はあ…」
寝癖を押さえながらタマキも席に着く。
(うーん。寝起きのタマキもいいな。いつにもまして無防備で)
「隊長は、卵なにになさいます?」
卵をボウルにいれてかき混ぜながらトキオが尋ねる。
(しかし、トキオのラフな服装もいい)
「そうだな、トキタマで」
「は? ときたまご? 卵掛けごはんですか」
「いや、トキタマセットでいただこうか…」
「……?」
意味がわからない、きょとんとしたタマキ。
「……」
ニヤニヤ笑うキヨタカ。
「……それは、朝からヘビーですね」
そして、呆れた声でトキオが言った。
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