それでいいのか
(カゲミツbitter end)
「やめ、ろ……。できない。無理だ……」
抵抗するカゲミツを無視して彼のツナギに手をかけてくるタマキ。
「最初は痛いけど、そのうち気持ちよくなって自分から腰をふるようになるから」
「や、だ…、やめっ……」
「怖くない怖くない」
ツナギから腰に手を回してくるタマキを、渾身の力で退ける。
「本当にダメだっ!」
本気のカゲミツの抵抗にタマキの手が止まる。
「…そうか。わかったよ」
ソファーから立ち上がると、タマキがうなだれながら言った。
「お前なら……忘れさせてくれると思ったのに…………俺のこと好きだって言ったくせに」
「いや、でもそれは……そういう事されるのは……」
「もういい! カゲミツなんか知らない!」
涙声で叫ぶと、タマキはそのまま部屋を飛び出していった。
カゲミツは身動き取れないまま、そんなタマキを見送った。
どれくらいこうしていただろう。
はだけた服を直しながら、カゲミツはソファーから起き上がった。
タマキはどうしているだろう。
本気で嫌だと思ってしまったが、あんなふうに泣かせることになるなんて。
好きな相手を拒否してしまうなんて。
このままでいいのか?
タマキは大丈夫だろうか?
気になる。
カゲミツはタマキを追いかけることにした。
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