どんなことされたの?
(サイドストーリー直後 ユウナオ?)
アラタとの事が気になって、ユウトの家まで押しかけたナオユキ。
「お前、いったいアラタにどんなセクハラされたんだよ」
「ど、どんなって・・・」
ナオユキに問い詰められ、ユウトは真っ赤なった。
「そんなの、言えないよ」
「どうして!」
「どうしてって・・・。人に言うような事じゃ・・・」
「俺にも言えないって事かよ」
「ちがうよ、ナオユキに隠し事する意味で言ってるんじゃないよ!」
「じゃあ言えよ!」
「わかった、言うよ」
決意するように答えたユウト。
「その・・・。えーっと、あの・・・・」
だが、言おうとしたものの、やはり口ごもるユウトだった。
「そんなの、口ではとてもじゃないけど言えないよ。・・・なんていうか。どう言っていいのかわからない。」
「わからないって?」
「だから、どう表現していいんだか。・・・あそこをね、こーやって、こんな感じで・・・」
おぼつかない様子で、指先を動かしながら説明し始めたユウトだが、ナオユキにはさっぱり解らない。
解らないながらも、アラタにいろいろされた事に対しての苛立ちはますます募っていく。
「・・・わかった。口で説明できないんなら、俺に直接やってみろ」
「ええ〜。どうして?」
「でないと、アラタの野郎をとっちめるにしても、とっちめようがないじゃないか」
「そ、そうかな?」
「そうだよ!」
「わかった」
* * *
「あ・・・・・・。はっ・・・・・・」
勢いに任せて、言ったものの、ユウトの指の動きにどんどん翻弄されていくナオユキだった。
「そ・・・それから、どう・・・されたんだよ」
「それから・・・」
ユウトの指がさらに下のほうに辿っていく。
これって、役得なんだろうか?
いや、どうせするなら自分がするほうがよかったか? 『こんなことされたのか?』とか言いながらユウトを責めるほうが・・・。
どっちもいい・・・。どっちもいいが。
でも、こんな風に真剣な顔つきで、自分の顔を覗き込みながら、不器用ながらも一生懸命自分に触れてくるユウトも堪らない。
「ん・・・。やっ・・・」
「あ、ごめん」
思わず出してしまった拒否の言葉に、ユウトはあわてて手を引っ込めようとする。
「ちがう・・・」
その手を掴みながら、ナオユキは真剣なまなざしを向けた。
「あんまり、気持ちよかったから・・・」
「ナオユキ・・・」
「けど、それはユウトだから・・・。アラタにされてもここまで気持ちよくはならないからな。・・・というか、アラタにここまでさせないよ。お前もなんでここまで黙ってされてるんだよ!」
「いや、子供相手に本気で怒るのも・・・」
「怒れ!」
「うん」
「二度とされるな!」
「うん」
「言っておくが、他のやつにこんなことするなよ」
「それはもちろんっ・・・。・・・ナオユキ以外としたいなんて思わない! あっ・・・」
思わず言ってしまった台詞に顔が赤くなる。
「うん・・・」
そういわれて、ナオユキも顔を赤らめた。
「俺も。お前以外にされたいとは思わないから・・・好きな奴以外としたくない・・」
「僕も・・・。好きだよ、ナオユキ」
ユウトはナオユキの手を解くと、そっとその頬を両手で覆って言った。
「・・・ナオユキだから、したいと思うし・・・もっとしたいと思うんだ・・・」
「じゃあ、もっとして・・・」
「いいの?」
「そのかわり、嫌って言ってもやめるなよ」
「うん・・・わかった」
慈しむように微笑みながら、ユウトはそっとキスを落とした。
(END)
2010/02/26
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