結婚しよう
(タマカナ)
「カナエ! 俺と結婚しよう!」
「えっ? ……何? タマキ君!?」
「俺と!結婚!しよう!!」
「あ、うん。ちゃんと聞こえてるよ……」
「じゃあ、返事を聞かせてくれ」
「うん。もちろん喜んで。……嬉しいよタマキ君。嬉しいんだけど、……ちなみに、それどっちが嫁とかある?」
「もちろん、おまえが嫁だ!」
「え……。タマキ君を抱く俺が?」
「俺を抱くお前が! 抱く抱かないは問題じゃないんだ。……というか、それが問題なら俺が抱いてもいいから!」
言いながら、顔を赤らめるタマキ。
言われて、顔を赤らめるカナエ。
「えっ…と。嬉しいよ。タマキ君」
「え…。抱かれるのが?」
「あー。それも、もちろん嬉しいけど、結婚するのが」
「よかった」
「じゃあ、さっそく役所行くぞ!」
「え……。役所って。俺たち男同士だよ」
「だから、養子縁組するんだよ。……俺の方が年上だから、俺の籍に入れるからな」
「…あ、だから俺の嫁なのか……」
「そうなんだ……。でも、抱く抱かれるはどっちでもいいからな。俺は!」
「俺も……。どっちでも嬉しいよ」
「カナエ」
「タマキ君」
ひしっと抱き合う二人。
「じゃあ…今夜は、タマキ君が抱いてくれる?」
「う、うん」
カナエが、タマキの唇に顔を寄せる。
「楽しみだな……」
「俺も……んっ……」
「どっちでもいいけど、そういうのは勤務後にやってくれ!!」
カゲミツの叫び声が、ミーティングルームに響き渡った。
(END)
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