ふたり一緒
(DC2ユウ×ナオ)
『ユウト…次の休み付き合って』
ナオユキにそう言われたユウトは、次の休暇も街に買い物に出掛けていた。
「どういう服買おうかなぁ…」
歩きながらつぶやくナオユキ。
ナオユキはデザートイーグルの二丁打ちだから、どうしても筋肉が必要だ。
しょっちゅう、肩や腕や合わないといっては、服を買いに来ることになるのだった。
「こないだ買ったミリタリー系のアメカジはすごく似合ってたよ。」
今着ている服もカジュアルだが、ユウトに合わせたせいか、いつもより落ち着いた感じに仕上がっている。
「サンキュ…。ユウトもその服、似合ってるよ」
「ふふ…。ナオユキに選んでもらったおかげだよ」
「うん…。普段着はそれでいいんだけどさ…。スーツやシャツがないから…」
「そうか…。今日はそっちを補充しないとね」
スーツはサイズが合わないと綺麗なラインが出ない。
「イタリアンスーツなんかいいかも。…肩幅ガッチリしているほうが、綺麗に着こなせるよ」
「イタリアンってガラじゃないんだけど……」
「いっそ、フルオーダーでいこうか」
「そ、それは高すぎる! それに、また筋肉付いた時がこわい」
……などと、話しながら歩いていると、目の前ワークショップから、見慣れたツナギの男が現れた。
「あ、カゲミツ君」
「よ……う……」
二人に気付いたカゲミツが、挨拶しようとしたが、ギョッとしたようすで、そのまま固まった。
「どうかした?」
「い、いや…。なんでもない」
「…今日はどうしたの?」
「ああ。ツナギが破れたんで、その補充に…」
「俺たちも、服を買いに来たんだ。そうだ! もうそろそろお昼だから一緒にどっか食べに行かない?」
「いや、いらね。お前たちと一緒に歩くのも、飯食うのも…俺はごめんだ!!」
そういいながら、ダッシュで逃げ去って行った。
「……おかしなカゲミツ君」
「ほんとに」
しばらくすると、今度は、タマキとトキオが紙袋を抱えて歩いているのに出くわす。
「こんにちは、トキオさん、タマキ君。今日は何か買い物ですか?」
「ああ、服とか、まだいろいろ足りないものがあったから」
タマキが言うと、トキオが、
「で、俺はその付き添い」
にこやかに言う。
「べ、別に一人で行けるって言ったんだけど」
「まあまあ、そういわないで。……ところで二人は?」
トキオは、二人の並ぶ様子をにんまり眺めながら言った。
「僕たちも服を買いに」
「いいねえ……。仲よくデートか。俺たちとダブルデートとしゃれこまない?」
「ばっ……、何言ってるんだ。行くぞ。じゃな……」
タマキが顔を真っ赤にして去っていく。
「あ、待ってくれよ。…じゃね、お二人さん」
愛想よく手を振りながら去っていく。
「デートだって…」
「おかしなこと言う人だね。トキオさんって」
「まったくだ」
お昼も食べて、気に入った服も見つかって、ブラブラとウィンドーショッピングしながら歩いていると、今度はキヨタカとヒカルに会った。
「こんにちは」
ナオユキとユウトが声をそろえて挨拶する。
「こんなところで、奇遇だな」
キヨタカもにこやかに答える。
「今日は二人でお買い物ですか?」
「ああ、パジャマがないから、買いに来た」
ヒカルが答えると、
「パジャマは、上下別々に着るから楽しいのにな」
とキヨタカが残念そうに言った。
「寒いんだよ、足が」
「ま、ペアでそろえるのも悪くない…。そうだろ?」
と、ナオユキ達に振る。
「え?」
「そうなんですか?」
きょとんと、する二人……。
「………」
そんな二人の、受け答えにしばし唖然とするキヨタカ。
「いや……。邪魔したな……。じゃ、また明日」
気を取り直して、そう言うと、二人並んで行ってしまった。
──次の日。
「街中堂々と……」
「しかも、本人たち気付いてないし」
「すごいな……それ」
ミーティングルームで、ぼそぼそと、交わされる会話があった。
休日のシンジュク界隈(とその周辺)では、
ナオユキとユウトのペアルックが見られます──。
2010/04/28
(ギノさんからのリクエスト)
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