おしおき
(マスター×キヨタカDC2第6話直後)
「キヨタカ」
ビルを出たところで、路地裏から声を掛けられた。
「あれ、マスター? どうしてここに?」
「ゴミを捨てる振りして出てきた」
「…で? 俺になにか?」
にこやかに微笑んでみるが、相手の顔は笑ってない。
ちょいちょい…と指まねきされて、仕方なく路地に入る。
「お前、最近おいたが過ぎるようじゃないか…」
「そんなこと、全然ないですよ」
「タマキも困らせてるじゃないか…」
「あれは…本気…」
「ヒカルがいるのに…」
「う……」
「そういうやつはお仕置きしてやらないとな…」
そう言うと、両手を掴まれた。
そのまま壁に押し付けながら、強引にキスされる。
キヨタカが、身動き一つ取れずに、そのまま口腔を犯されていく。
「う……んっ……。マスター、冗談が…過ぎます…」
息が上がる…。キヨタカの口から、息が漏れる。
「いい感度してるな…。それに…その艶ぼくろ。相変わらず悩ましいよ」
そういいながら、キヨタカの唇のすぐ下のほくろに唇を這わせる。
「勘弁してください…あっ…」
ほくろを舌で舐め上げ、それからまた唇を深くまさぐられた。
両手の力がすっかり抜けてしまったころ…。
ようやく、マスターの唇が離された。
「まったく…いつの間にこんな俺様になってしまったんだ?」
「もともとこういう性格です…」
「昔はもっとかわいかったのに…」
「じゃあ、あなたのがうつったんです」
「嘘つけ」
「ほんとです。…いろいろ教えてくれたのはあなたですからね…」
悪びれのないキヨタカに、すっかり毒気を抜かれる。
「これに懲りたら、もうちょっと慎めよ」
諦めながらも一応言っておく。
「懲りたというか…。マスターならいつでも大歓迎ですけどね…」
「なっ…」
思わずマスターの頬に血が上る。
「…おまえには…負けたよ…」
「じゃ…」
そういって、爽やかに微笑みながら去っていくキヨタカを見つめながら。
「今なら、どっちが抱かれる側になるんだか…」
マスターがひとりごちた。
2010/04/24
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