HOT SUMMER
「うだるような暑さの中で食べるのはやっぱ素麺が最高だよな」……なんてタマキが言うから今日の昼食は素麺にした。
扇風機を回し、生ぬるい風をかき混ぜながら、素麺を啜る。
氷水の中に浮かぶキュウリの輪切りとプチトマトは俺たちとは正反対に涼しげな様子で泳いでいる。
しかし、キュウリを羨ましいと思うのも情けない。
風呂に氷をいれてタマキとキュウリとトマトを気取るのもいいなと思ったが、氷はすべて使い切ったのでただの水風呂になりそうだ。
エアコンは昨日から壊れて、ウンともスンとも言わない。
修理が来るのは3日後。
それまで、どうやってこの暑さを凌いでいけばいいのか。
「ようするに、この暑さ以上に自分が熱くなれば相対的に涼しくなると思うんだ」
昼食の素麺の最後の一本を啜りながらタマキが言った。
「そう?」
俺は麦茶をタマキのグラスに注いでやりながら疑問形で答える。
「うん。だから熱くなろうぜ。トキオ」
ごちそう様といいながらタマキは箸をおくと、ローテーブルに手をついてこちらに体を向けてきた。
「えー……どうやって……っ……」
そのままフローリングに押し倒される。
と同時に、キスされた。
まだ冷たいタマキの舌を感じながら、自分の舌を絡ませる。
ランニングシャツと短パン姿のタマキの熱はすぐに伝わってくる。
汗ばむ腕の触れ合う感触と。
薄い生地越しに伝わる鼓動。
押し付けられる半身に熱がこもっていく。
「…熱くなりすぎて、茹らないでくれよ」
「その時は冷水にさらしてくれ」
タマキは笑いながらそう言うと、さらに深い口付けを落としてきた。
互いに服を剥ぎ取り、素肌を直に触れ合わせるとさらに熱を感じる。
流れる汗、滑る感触に、泡肌が立った。
最初にリードしてきたタマキの体を反転させると、今度は自分が攻めていく。
タマキは貪欲に、快楽を追いながら腰を揺らした。
「熱っ…………」
「うん…っ…」
互いに、互いを貪り合いながら、タマキの奥深くまで身体を沈めていく。
「あっ……トキオ……や……あっ……」
奥まで突き上げてやると、タマキの収縮が怒張したものを締め付けていく。
「…タマキっ……も……イキそう…」
タマキはコクコクとうなずきながら腕を巻きつけてきた。
互いに荒い息を吐きながら、床に寝そべって仰向けになる。
「……涼しくなった?」
俺が尋ねると、
「……全然」
暑さに顔を紅潮させながら、タマキは憮然と答えた。
「それじゃあ、水にさらすとしますか」
俺はタマキを抱きかかえると、用意周到に溜めておいた水風呂にタマキを浸けてやった。
しばらく風呂でイチャついて、すっかり冷えてから上がるとタマキが、
「今なら快適にセックス出来そう」
などというので、2ラウンド目に突入したら5分としないうちに汗が滝のように流れてきて。
結局また水風呂の世話になり……。
そんなイチャラブエンドレスな夏の休日──。
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