CROSS DELUSION
説明|文章|雑記|企画|頂物|独言|情報|通販|連鎖

それでいいのか8
「帰ったら、タマキに話したいことがある」

そう言って、車に乗り込むと、カゲミツは車を発車させた。

互いに無言のまま、バンプアップまで帰る。



地下駐車場まで戻ってきてエンジンを切ると、お互い後ろのシートに移動した。


そして、タマキに向き直るとカゲミツは改めて口を開いた。


「俺……。タマキのことが好きだ」


それはタマキもわかっている。それをわかった上で、その気持ちを踏みにじるような真似をしたのだ。

「ごめ……」

「いや、謝らないでくれ。タマキが俺を求めてくれるのはありがたいことなのに、拒んでしまってごめん」

「悪いのは無理じいした俺だ。ごめん」

「俺の覚悟が足りなかったんだ。……でも今なら言える。タマキになら抱かれてもいいよ」

「カゲミツ」

カゲミツはタマキの肩に手を置くとそっと口づけた。

「俺を抱いてくれないか。……俺だけにして欲しいんだ。…他のやつにはしないでくれ」


タマキはカゲミツの胸元に顔を埋めながら、背中に手を回してしっかり抱きしめる。

「他のやつとは……してないよ」

「……って? アラタやユウトとはなにもなかったのか?」

「うん。なかった……。というか俺が出来なかったんだ」

そういいながら顔を上げる。

「カゲミツとしかしたくない……。カゲミツじゃなきゃダメだ……」

そう言いながら、今度はタマキがキスを仕掛けてくる。

差し出された舌に自分の舌を絡めると、あとは互いに夢中で貪り合う。

「なあ…本当に俺がしていいのか?」

タマキが訊ねると、

「ああ……。でも、俺にもさせてくれよ。俺だってタマキを抱きたいんだからさ」

カゲミツは真っ赤になりながらそう言う。


そんな表情を見せられて、タマキは耐えられないようにカゲミツに抱きつく。

「もう……どっちでもいい」

そう言いながら、シートに身を沈めた。







[*前] | [次#]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -